3
「おいおっさん。未来はな、お前みたいなおっさん相手にしてるわけねーよ。たぶん金目当てだろ」
「あ、そうです」
俺って意外と金あるし。
「まじかよ。まぁ、お前金搾り取られて別れるのがおちだな」
「おっさん捨てられるよ、かわいそ」
ひどい男たちだ。未来ちゃんがそんなことするわけないじゃないか。
着替えて、一応男たちの後ろについていく。
「おお!未来すげ~似合う」
「どう?」
いやいや、ビキニとか露出しすぎだ…
「パパ、かわいい?」
そっと近づいたと思ったらそんなこと言う。
「未来ちゃん、かわいいよ」
「ふふ」
はにかみ笑顔。かわいすぎだろ。
「未来、なにする?ビーチボール?」
「やるやるー!」
俺は置いてけぼり。その辺の椅子に腰掛ける。俺はじいさんだよ。と思ったら、ついてきた男たち3人ほども座る。座るというか寝転がれる椅子?
「見ろよ、未来。すごくね」
「いいな」
「昔よりやばいって」
「…あの、夫がいる前でそういう話をしないで頂きたい」
「おっさん夫とかありえねぇもんな」
こいつら。無視かよ。
「写真撮っとこうぜ。おーい未来!」
「はーい!なにー?」
「おーいいねー」
こいつら、写真撮りやがった。
「ちょ、おっさんなにしやがる!」
「人の嫁の写真を無断で撮らないで頂きたい」
「は?うっせぇよおっさん」
「ちょーっと!うるさいのはどっちよ!」
「うえ!未来、なんでここに」
「つーかーあんたたちが呼んだんでしょー?」
「お、おい未来。お前このおっさんと結婚したの金目当てなんだろ?」
「それがなにー?」
「未来ー!まだー?」
「はーい。もう話は終わり?」
未来ちゃんよ…俺はまた残された。
「おっさん早く別れたほうが身のためだ。金とられる前にな」
「未来はお前なんて見てないぞ」
うるせーなぁ。
「おや、早川教授」
む?…前教授じゃないか
「お久しぶりです」
「家族と来てるのかい?」
「あ、はい。…気晴らしに」
「そうかそうか、私もだよ。君の奥さんはどこに?」
「友達と向こうで遊んでいます…」
「そうなのか?学生のように見えるが」
「あぁ、はい。そうなんですけど…」
「君の論文、楽しみにしてるよ」
「はい」
仕事辞めてんのに論文は読みたがるんだよな…
「お前、教授ってなんだよ。あの偉そうなおじーちゃんと話すとか」
「大学で教授してるだけですけど」
ちょっとだけ、男たちは驚いた。が、
「くだらねぇ。飲み物買いに行こうぜ」
置いてけぼり…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。