未来ちゃんの母

1

キッチンに立つ未来ちゃん。

かわいいけど…


「ただいま…」


「あ、おかえり〜」


「未来ちゃん…髪に」


「へ?なに?」


「虫が…」


「やー!やだやだ!早く取って!」


未来ちゃんはパニック!キッチンから出て俺の方に。かわいすぎるんだが!


「あ、落ちた」


「ありえなー!早くなんとかしてー!」


ぺちっとスリッパで一応叩いてから捨てる。よし、俺かっこいいぞ!


「もういない?」


「うん。ご飯は…ある?」


ちなみに俺は、昨日から泊まり込みで大学にいた。俺もいろいろ仕事とかあるんでね…

未来ちゃんに癒されたい。


「うん、待っててー。…きゃっ!」


いきなり飛びつかれた。だけど、俺は疲れてるから、全然力もなく、そのまま倒れてしまった。


「いでっ」


床に頭をぶつけた。


「…どうしたの?」


「なんか、虫がいたような気がしたから…」


未来ちゃんに押し倒されるという。恥ずかしい夫である。ここは姫抱っこしないといけないとこだったのに。


「もういないって」


そっと髪の毛をなでる。


「びっくりしちゃった」


よかった。いつものように笑顔…

でもこの体勢はなぁ…


「パパのバカ。倒れたらだめだよ!」


そのままぎゅーっと抱きつかれる。うわ〜密着!


「パパ?大丈夫?」


「そ、その、未来ちゃん…俺を癒して…ほしい」

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