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友人の細川に、会社の女の子を紹介してもらうというのも馬鹿げてる。くそー!どこか、女の子いないか?スーパーのレジの子?いや、コンビニ…?いや、きもい。思考回路がおかしい。
よし、髪でも切って思考を整えよう。
いつも行ってる美容院は大学近くで、学生の頃から通っている。友達に教えてもらった男女も来る美容院である。身なりだけはちゃんとしたいんで。
「あれ?おばちゃん、あんな子いた?」
「あれは孫。うちの店継ぐって言ってね~。学校卒業してから働いてるのよ」
「へえ、そうなんだ…」
「ほら、
「あー、こんちはー」
「もう、ちゃんと挨拶もできないの?」
かわいいな。若いけど…。
とりあえず、髪を切ってもらう。
おばちゃんが髪切ってくれて、フロアの掃除をお孫さんがしている。
「あの、お嬢さんは彼氏とかいるんですか?」
「はぁ?いないしー。てかそんなこと普通聞く?」
「いや、あの…俺はそこの大学の数学科の教授をしていまして…」
「まあ、教授になったの」
「俺の名前は
「あら、どうしたの?」
「結婚相手を探してます。…あの、お孫さんと結婚させて下さい」
「あらやだ!よかったじゃない。ね?」
ちょうどカットも終わりタオル等々はずされている。
「はぁー?なんで私?てかー今日会ったばっかだし」
嫌そうな顔されたけど…
「この店継ぐって本当?」
「は?おばあちゃんの店だから当たり前だしぃ」
「俺はそこの大学にいるし、近いしおばあちゃんの知り合いだし。どう、だろうか…」
「てゆーか、私のタイプじゃないんだけどー?」
「なに言ってるの。先生だからお金あるに決まってるじゃないの。うちもいつ潰れるかわからないんだから、ねぇ」
「俺、お金あるよ!改装するならお金出すし」
無駄に貯金ある。金の使い道ないし。
「えー、おばあちゃんは賛成なの?」
「いいじゃない!先生だから安泰だわ~。私もお店しなくても大丈夫じゃないの」
「えー?おばあちゃん店しないの?」
「あんたに任せるの。最近腰も痛いしね」
「…おばあちゃんが腰痛いなら私やるけど…うちの親はなんて言うかな?」
「おばあちゃんに任せなさい。先生、よろしくお願いします」
「ええ。もちろん。で、式はいつにします?」
「早っ!私許可してない!」
「あんたに許可する権利はないのよ。おばあちゃんに任せなさい!」
「えーまじぃ?」
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