未来ちゃん

えいみ

未来ちゃんとの出会い

1

大学デビューは夢に終わる。


数学科は、男しかいない。


さらに、俺は奥手である。サークルなんて入らないし、バイトすらしない。ひたすら勉強。


院まで行って、教師にでもなるかなと考えていたところ、学校に残ることに。助教授になったものの、ますます出会いはない。まずい。友人の細川ほそかわの子供はどんどん増える。


「先生、顔色悪い」


小学生に心配されるざまだ。学内の食堂で細川の子供に家庭教師をしてる俺。


「大丈夫だよ。最近お父さんは家に帰って来るの?」


「帰ってるよ。忙しいみたいだけど。新店舗のこととか」


「まだまだ忙しくなるだろうね」


はぁ、俺はなにやってるんだよ。


そんなある日。


「早川くん、教授をやってみないか?」


「え、はい」


突然教授は言い出した。いや、さらに俺の世界は狭まる。生徒だって男しかいないじゃん!


「それから、君はまだ未婚?」


「え、はぁ。あの、忙しくて…」


「私がいい子を紹介しようか?」


「あ、いえいえ。…彼女は、いるので…」


嘘。


俺はお見合いなんてごめんだ!

このままではまずい。まずすぎる!

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