第8話

次の日の夕方。4人全員が探偵事務所にいた。

さて、この事務所のメンバーを紹介しよう。


先ほどまでマスコミ各所を周り、池綿の噂を細かく聞き込みをしていた、今はソファで横になっているのが、この事務所のオーナー、南。


パソコンにしがみつき、一日中動かない女が、事務所の稼ぎ頭である、金田さくら。

見た目は冷たそうだが愛想はよく、根暗のイメージだがコミュニケーション力は抜群の、よく分からない、いや、七変化する女だ。


その近くで、パソコンを覗いているのが、影野はじめ。

事務所では在職歴が一番浅く、まだ大きな実績はないが、地道に情報収集に励む一生懸命さが取り柄だ。細かいことに気がつくため、繊細な任務をするにはもってこいの人物。


そしてもう1人。


奥のデスクで饅頭を頬張っている太った女が、ふくちゃん。

ふくよかだから、ふくちゃん。

ではない。

本名は、春雨ふく。あだ名ではなく、本名だ。

彼女は事務所を立ち上げたときからのベテランの事務員。事務所に関することなら、全部彼女に聞けばよい。南も彼女に事務所の資金関係、備品関係、人事関係、不動産関係など全てを任せている。

だからこそ、オーナーの南は、こうしてゆっくりと休んでいられるのだ。とは言っても、朝から聞き込みで靴底を減らした働き者である。


大事なのは、モットーに掲げている『バランス&タイミング』。今回の案件は、4人全員が活躍する大きなミッションとなる。

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