私
1
私はどこにいるのだろう。
目覚めた時は疑問から思考が始まった。
なんでこんなとこにいるのだろう。どの様風な経緯でこんなふうになったのだろう。いつこんなところに連れてこられた?
数多の疑問が時とともに指数関数的に増えていく。
私が発する疑問に答えてくれる人は周りには一人もいない。
そんな疑問がまた疑問を呼ぶ。
周りには何もない。何も見えないというのが正しいのだろうか。
私が見えるのは手を伸ばした時の指先くらいまでしか見えない。
音も聞こえない。まるで布団の中にくるまった時のよう。
「私」がバブルのような黒い膜の中に閉じ込められてしまっている。
何者かに包まれているように、ほんのりと人の温もりというものを感じる。
だけどそれが何かはわからない。
助けて
どうすればいいの?
さっきまでいた様な気がするコウキくんとワタルくんを思い出す。
だけどその輪郭は煙のように私の頭の中から消え去ってしまう。
助けて
ここから出して
早く誰でもいいから逢いたいよ
待ってるからね
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