出会い
1
次跡そして神尾という町は、三方面を山に、さらに一方面は海に面していた。そんなこの地形が僕を閉鎖的な空間から外へ、外へという冒険的な心を作り出していたのかもしれない。さらに、当時の情勢も相まって、余計にそういう思いが強くなったのは間違い無いだろう。
一般常識かもしれないが、当時神尾は皇国日本からの独立運動がとても盛んだった。実際に、小さな衝突はしょっちゅうあった。いわゆる紛争地帯に近しいものがあった。そんな状況じゃあ敵国である皇国にやすやすと入れるわけがない。
だから、皇国日本は一つの目標だったのかもしれない。
幸いにも、僕の住んでいる次跡は、戦線からはそこそこ離れていたため、ほとんど一次的な被害は出なかった。
話を戻すが、僕は神尾という街を隈なく行き尽くした。中学校の同学年の誰よりも神尾の地理が詳しくなった。しかし、神尾のさまざまなところへ行けば行くほど余計に外への思いは日に日に強くなっていった。
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