第6話 八代との会食2
「この提案書を読むと、誤魔化して書いてあるが、海外で発生した感染症も日本で積極的に研究を行うと書いてあるが、国民は納得するのか?」
「流石だな。騙されずに気付いたか」
仲野の提案書には、はっきりとは海外で発生した感染症も研究するとは書かれていない。しかひ、所々散りばめられた文言を切り取ると【日本は積極的に感染症の研究を行う】事と【世界医療に寄与し、世界で感染症が起きれば協力する】お明記されていた。つまり、日本国内ではっせいしていなくても、検体を持ち込み研究できる事になる。
「関係のない日本に検体を持ち込むとなれば国民が黙って無いんじゃ無いか?」
「これに納得がいかない国民は、次のパンデミックの際に海外に対してワクチンを寄こせと言う資格が無い。自分達は被害を受けたく無い、でも、有事の際は海外に協力しろなんて自己都合が過ぎる」
そう言いながらも日本人の気質として、はっきりと伝えれば大問題になる事がわかっていたから仲野は文書をぼやかした。
「明日、事務次官に会って提出して来る。お前も来いよ」
「良いのか?俺みたいな万年係長が行っても」
八代は話は纏まったとばかりに満面の笑みを浮かべて仲野とグラスを重ねた。
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