異世界魔法書士はハッピーエンドを迎える
8冊目の本。ついに隣町で購入した本を全て攻略する。その舞台へあたしとコヨイお姉ちゃんとカモメちゃんで入り込んだ。しかし、魔法で転移する際に何が起こったのかはわからないが、コヨイお姉ちゃんとはぐれてしまった。
『コヨイお姉ちゃんどこー?』
『コヨイさん居たら返事して!』
見る影もない。周りには体育館やグラウンドがある。なぜなら、ここはスポーツ作品の本の世界だからだ。
『コヨイお姉ちゃんこの作品の大ファンだからなー。合宿所かもしれない。』
『えぇ?そんな遠いところ行くの?』
『行くっきゃないっしょ!』
『しょうがないなぁ。捕まってて。』
カモメちゃんは空を飛ぶことができる。ひとっ飛びで合宿所に着いた。扉を開けるとコヨイお姉ちゃんと作品の選手たちが居た。
『待っていたわ。』
『お姉ちゃんこれは?』
『私と勝負よ!メヨイ!』
まさか姉と勝負する日が来るとは。
『勝負って何で?』
『マジックサッカーで勝負よ!』
マジックサッカーとは魔法を使ってゴールにサッカーボールを入れるゲームだ。要はこの作品のメインスポーツであり、サッカーと同じようなルールである。違うのは魔法が使える世界ということだけ。
『受けて立つよ。』
こうしてマジックサッカーで試合を始めた。
前半からやや押され気味だ。こちらのチームにはあたしとカモメちゃんが居るが、向こうにはコヨイお姉ちゃんと作中で優秀なオールスター選手たちがいる。こっちが不利である。
『貰ったわ。アイスシュート!』
1点決められてしまった。そこでホイッスルが鳴る。早くも1点リードされたまま前半終了だ。
『後半巻き返そう!』
『おう!』
後半は作戦を立てた。あたしがシュートすると見せかけてカモメちゃんにパスをした。
『カモメシュート!』
ついにゴールキーパーを凌いで1点獲得した。同点だ。
『やったねカモメちゃん!』
『うん。メヨイさんのアシストのおかげだよ。』
ここからペースが変わっていく。あたしもシュート体制に入った。
『ストロベリーシュート!』
またも1点獲得。ついに2点だ。
『負ける訳には行かないわ。ラズベリーシュート!』
ここで防がなければ同点に逆戻りだ。同点になったら延長戦になる。それだけは避けたい。しかしディフェンダーには頼れない。あたしとカモメちゃんでキックした。ピッピー!試合終了。2対1であたし達の勝利だ。
『負けたわ。強くなったわね。』
『うん。お姉ちゃんこそ!』
2人は強い握手を交わした。それは姉妹もの絆を超越したものだろう。
『この試合に勝ったら伝えたいことがあったの。でもそれもお預けね。』
『えぇー!?…なんてね。あたしわかるよ。』
『妹のメヨイも同じ気持ちなんて嬉しいわ。』
『うん。あたしから言わせて。大切なものに気づかせてくれてありがとう。大好きだよ。』
『私も。愛してるわ。』
2人はキスできるくらい唇を近づけて。
余命1日の魔法書士 中須ゆうtive @ImaYuuMiniSkirt
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