異世界魔法書士は考える

コヨイお姉ちゃんと仲良くなるため、メヨイのことをたくさん知ったあたし。かなり厳しい教育の末、2日経ってしっかり覚えることが出来た。もちろん毎日出かけていたら怪しまれるからな。たまには出かけない日があってもいいだろう。余命3日あれば充分だ。妹のことを知った今なら姉とは仲良しな関係が築けるだろう。

『コヨイお姉ちゃん今日はあたしでかけたいなあ。』

『安静にしてなくて良いの?』

『お姉ちゃんと隣町に出かけたいの。お願い!』

『はうっ。そこまで言われては仕方がありませんわ。わかりました。隣町まで行きましょう。』

やけに素直だ。もう妹効果はテキメンと言ったところか。今日もお姉ちゃんの魔法でひっそりと病室から病院を抜け出した。めちゃくちゃ便利なのではないか?この魔法。

『着きましたわ。メヨイ』

『うん。ここでどうにかしなきゃ…』

『なにか言った?』

『ううん。なんでもないよ。』

既にお薬は貰って同じ方法は使えない。それ二この身体ではあまり動くことができない。こうなったら魔法書士らしく本の世界に行って攻略の糸口を掴むか。そう思ってあたしたちは本屋に入ることにした。

『何かいい本がないか探そう。コヨイお姉ちゃんと一緒に読みたいな。』

『メヨイがそこまで言うなら…』

コヨイお姉ちゃんが照れている。凄く可愛い。辺りを見渡すと無数の魔法書が勢揃いしていた。さすが本の中の世界。本の中の世界にも本ってたくさんあるんだね。初めて知ったよ。

『あ!』

面白そうな8冊の本を手に取り、お姉ちゃんにお強請ねだりした。

『お姉ちゃんと一緒に読みたい。これ買って!』

『うふふ。良いですわよ。』

こうして魔法書士は8冊の本を手に入れた。

そして病室に戻り、お姉ちゃんと本を呼んで夕方まで過ごし、お姉ちゃんが帰ったあと実行に移すことにした。一冊の本を持ち魔法を唱える。

『あたしの魔法で本の世界へ!』

病室内全体が幻想的に光出しあたしは本のページへ吸い込まれて行った。

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