第023話 エンジェルパワーも追加

週間総合8位!!

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◼️◼️◼️


「にぃ!!」


 エンジュが瀕死のシャドウに対して攻撃を仕掛ける。前足での引っ掻き攻撃だ。小さい体にも関わらず、シャドウの体を切り裂き、仕留めることが出来た。


『エンジュがレベルアップしました』


 従魔がレベルアップすると、どうやらアナウンスで主人の方にアナウンスで教えてくれるらしい。図らずもテイマー職の検証が行われているようなものだ。


「おっ。エンジュのレベルが上がった」

「ホント?僕も負けてられないね!!」


 俺がエンジュのレベルが上がったことを言葉に出したら、聡も対抗意識を燃やしてシャドウに肉薄して切り裂いていく。


 今日一度この辺りのシャドウは倒したはずなのに、数時間したらまたわらわらと湧いているんだから多分どこかに渦が現れて追加でやってきているんだろうな。


 俺達はひたすらにシャドウを倒しながら進んでいく。本当に街には人っ子一人いない。まだ二日目で引きこもっている人が多いのかもしれない。


 むしろまだ二日目なのにこうやってシャドウ狩りに勤しんでいる俺達の方が異常だ。それもこれも俺のチートがあるからこそ可能なことだ。他の人たちだと命の危険が高くて中々こういうレベル上げはできないだろうからな。


 暫くの間シャドウを狩り続けていると、目的地であるスーパーに着いてしまった。


「どうだった?」

「レベルが三になったよ」

「物資を調達し終わったらもう少し戦おう。物資は暗くなってから置きに行った方がバレないだろうし」


 ここまでの成果を確認し、物資提供の事を考えて暗くなるまでレベル上げを続けることにする。


 エンジュのレベルも上げておけばどちらかと一緒に行動させることが出来る。そうすれば安全度がグッと上がるから彼女にはもっともっと強くなってもらわないといけない。


「分かった。それにしても宝箱が凄い数だね。僕達もほとんど出なかったのに」

「それな」


 聡は俺の提案に頷いた後、辺りに散らばる宝箱の量に苦笑いを浮かべる。大体シャドウを倒した数の半分くらいの数の宝箱落ちていて、とんでもないことになっていた。


 勿論ほとんどが木箱だったけど、俺の時と同様に鉄箱や銀箱、金箱、そして虹箱まである。


「に?」

「確実に俺の豪運とエンジュの幸運が関係しているのは間違いないだろうな」


 自分を見つめる視線に首を傾げるエンジュ。彼女の運とスキルが俺の運と合わさる事で更なる効果を発揮していた。


 これでは物資の提供どころではない。


「俺一旦これ収納して置いてくるわ」

「分かった」


 俺は一旦ドロップした宝箱を入れられるだけカバンに収納して一旦家に戻り、適当に外に宝箱を置いて再びスーパーに戻ってくると、また少し宝箱が増えていた。


「なんで増えてるんだよ……」

「だって倒すと宝箱がドロップするからさ……」


 どうやら辺りでまたシャドウと戦ったらしく、エンジュの力によってさらに宝箱が増えたらしい。俺は増えた分と残りの分を収納して持ち帰り、またスーパーまで戻って来た。


 今度は宝箱が増えていなかった。近くにいたシャドウたちは狩りつくしてしまったのかもしれない。


 ただ、宝箱の輸送によって時間が食ったおかげで辺りが大分暗くなってきてしまっていた。


「ひとまず必要な物資を集めよう」

「了解」


 まだ視界があるうちにスーパー内の物資をカバンに詰め込み、俺達は日が完全にくれるのを待つ。


「いやぁ。エンジュの力は凄いね」

「ホントにな。俺だけで狩った時の倍以上宝箱がドロップしてるんじゃないか?」


 スーパーの中で適当な食品を開けて食べながら雑談をする。


 今日の話題はやっぱりエンジュの力のことだ。


「僕達の時と比べたら多分十倍以上落ちてるよ」


 俺だけのドロップ率でさえ異常なのに、エンジュと一緒にいるとさらにドロップ率が上がってしまい、もはやレアドロップの概念がおかしくなりそうだ。


「ハッキリ言ってチートが増えた以外の何物でもないよな」

「これで僕達の装備が拡充される気がするよ」

「そうだな。全員の武器防具全部銀箱以上のレアリティになるのも時間の問題な気がする」

「そうなりそうだね」


 これだけ宝箱がドロップすれば装備の質も上がり、さらにレベル上げしやすくなる。


「それに、エンジュのレベルも三になったし、修二か聡と一緒に狩りに行くのも大丈夫そうじゃないか?」

「それなら六道君を自由に動かすことが出来るね。僕と修二が交代でレベルを上げながら、君は能力の検証をしたり、他にやりたいことがあった時にすぐに動ける。君が一番の戦力だからそういう状態にしておいた方がいいだろうね」

「そうだな」


 エンジュの能力や今後の話をしているとあっという間に辺りは真っ暗になってしまった。


「それじゃあ、行こうか」

「ああ」


 俺達は有栖川学園に向かい、こっそりそのバリケードの前に物資をこれ見よがしに置いてからその場を去った。流石に明るくなってくれば物資に気付くだろう。

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