第6話

 僕が金森に見惚れていると、彼女はなかなか曲を入れようとしない僕を眺めていたようだ。


「歌える曲ないのー?」


 可愛くこちらの顔を覗いてくる。


「金森はなんか歌える?」


「えー私からー?」


 恥ずかしそうにしながらも、彼女は曲を探し始めた。そしてマイクを構えた。


 う、うますぎやろ…

 歌手かと思うほど感情が歌に表れてくる。


「どうっ?」


 歌い終わった彼女は頬を赤らめながら見つめてきた。


「   」


 僕は彼女の歌声に圧倒され、声が出なくなっていた。


 その代わり…なのか……

僕は静かに彼女の頭を撫でていた--。

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