第4話

 やばいやばいやばいやばい。


 ついにこの日が来てしまった。


 とは言ってもカウントのスタートは昨日だけど。


 「お待たせ!」


 普段の金森からは全く想像できないほど、それは綺麗だった。


 まっしろのワンピースに身を包み、赤いリボンの麦わら帽子を被った金森は、これまでの様子からは予想のつかない可愛さだった。


 僕は、自分の心臓の鼓動が速くなっていくのを感じていた。


 「どっか行きたいとこあるっ?」


 ろくに頭の働くなった僕にとってもう何を言われても全然わからなかった。


 「ど、どこでもいいよっ!」


 本で読んだ。こーゆーのは男が引っ張らなきゃいけない…らしい。回そうとしても何も起きない脳みそをフル回転させる。


 「ふふっ!普段と違う池田くんかわいいなぁっ」


 おっふ。僕はもう何もできなくなってしまった。


 「あのさ!カラオケ行きたいがやけど!」


  めっちゃかわいい?!!


 「いいね!!僕も行きたい!」


 2人でカラオケに向かった。僕らは、この後大事件が起こるとは思ってもいなかった…。

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