第7話 ☆彡マイケル走査中・覚えていますか?査走の海

『ガラーーーンガラーーーンガラ


**.***.キーンン

この鐘って、何だっけ?

迷うが故に

世界は

閉じられた城で


ーーーンガラーーーンガラーーー

**.***.カーンン


これは、 わたしへの 悼み?

本当は

東も西もなく

どこに南北があるのか


ンガラーーーンガラーーーン ..

**.***.コーンーン

**.***. …


それと、こっちへ戻れとの

なんだぁ 合図か、

世界は 空 で

この世は限りなく自由で

全ては 空 なのだ

けど


↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓

わたしの思念をポータルに、

藩島のエネルギーを

大陸に変換投下をするぞってさ

ウガガガ絶叫に咆哮するガカカガガガガガガガ自分の口にガンガン

爆発する明星がウゴカッハッゴゴゴゴゴゴゴゴ弾丸連続貫くグガカ

斬斬斬斬斬ゴゴゴゴゴゴゴ無無理イイイイイイイイゴゴゴゴ炸炸炸飛穿って

状況ゲゲゲガ亜亜亜亜亜亜マジジジ奇跡おおいおお体感半端無いい

グオオオオトトオオオオオオトト

自分のの思念体をスキャャン

し、ながら変換投下をするって


今、光の柱に上下から穿っかれ

眼底から連続ショート閃光が

チカチカで視力は効いてない

はずなのに、

空 と 海

二色のみの

眼前の景色を

柱の外に感じ

穿っかれる

体感と視界の

景色に魂が

変革する。


彼の大師はそれを己れの名に

したって世界。


↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓、、、、、、、

、、、


(んー。ここは始めなのかな?)


マイケルは気が付くと、遍路装束の姿で白い砂浜に横たわり、其の体を寄せる波に洗われる。

横たわる視野には青空。

途端に漆黒色の瞳が、リョコッリと空の景色に差し込まれた。


「巡礼しゃ さん、いきてる?」


昼の白い空を仰ぐマイケルの体は、腰まで引く波に触られる。


「しんでる?」


土左衛門のよろしい様子のマイケルに覆い被さるのは、クリンクリンとした牧場色を無造作に巻き毛た、あどけない顔の少女。


(ヤオだー。ういヤツー。)


つい先刻まで、自分の家族同然の側使えとして成長し、成人の儀を来年に控えていた少女。


此のの調整世界で初めて出会った

異世界人の可愛い記憶に、マイケルは、安堵の息をついた。


どうやら自分は無事に、『走査』の始まりに降り立ったのであろう。


「生きてる。」


応答するマイケルは、ヤオのちっちゃい鼻にかかるソバカスを、

3本の指で慈しむ様に撫でる。


「巡礼しゃさん、おきる?」


ヤオは掛けた前歯をニコッと見せて、マイケルの手をゆっくりと引いた。


「ありがとうね。」


マイケルは、ヤオの痩せた手を握ぎり返し上半身を起こすと、向き合う形になったヤオを、優しく抱き締める。


「?巡礼しゃさんこわかった?」


幼年期独特の ミルク匂いがするヤオの頭を、マイケルは抱き締めながら撫でて、


「怖かった。 痛くって、辛くって、ずっと歯医者さんにいっぱい器具を口んまんぱんつめられて治療の振動を体に受けてたみたいに、苦しかったよー。」


矢継ぎ早にヤオに、

さっきまで、そして今も受けて入れているであろう変換の濁流体感の感情を垂れ流すマイケルに、


「??わかんない。わたしヤオ」


ヤオは、初めて出会った時と同じ顔で、マイケルに挨拶する。


「はじめまして、ヤオ。 わたしはマイケルっていいます。そして、ありがとう。よろしくね。」


マイケルは古く煤けた服の手触りを、ヤオの背中に改めて感じ、此の後に 自分が起こした様々な調整世界での事を思い出す。


「ヤオ、わたしはここで少し暮ら

したいの。どうしたらいい?」


此の台詞も、初めてマイケルが大師に飛ばされヤオと出会った時とと同じ。


此の世界は、マイケルの世界と同じく巡礼者を迎える習わしが存在する。


異なるのは、成人して直ぐ巡礼に出れるのならば、自ら生きる国を探せる事。もちろん、生まれ育つ国に生涯い住むことも問題は無い。


「巡礼しゃさんのギルドある。10ウーリーいる。ある?」


比較的巡礼者の受け入れに寛容で、窓口もあって滞在登録も日雇い斡旋もしてくれる。


但し、藩の通貨があればの話。


「10ウーリーがいるのね。 ウーリーは持ってないの。どうしよう。困ったな。」


始まりでは魔充石の存在は無い。

もちろん、マイケルには魔力もないまま。


「巡礼しゃさん、もぐれる?」


ヤオは、漆黒の瞳を訝しげにマイケルに聞く。


(ああ此の少女は、最初から本当に良い子で、わたしはラッキーだったな。)


マイケルはしげしげとヤオの顔を見つめて、


「ヤオ、わたし魔力ないの。でも、泳ぎは得意よ。なんて 言っても楊一族のお嬢様よ!大抵の事はサイコウに出来る!」


濡れた遍路装束を躊躇なく脱ぎ捨て、オールシーズン対応のスポーツインナー姿になった。


「ヤオ、潜る場所は?どうしたらいい?あなたが、売られないように、わたし頑張るから!」


マイケルがヤオに親指を立ててポーズをすれば、目をまん丸にしてヤオが 固まっている。


「あなた、その黒い瞳で 何日かで 売られるんでしょ?あたしが、 潜って、ウーリーを稼ぐ。 ヤオは、わたしが何とかする!」



(これが、ヤオとわたしの

初めての出逢いだったんだよ。)


ヤオは変異の子として生まれ、平民なのに 魔力量が多い可能性から、近い将来、貧困に喘ぐ親に売られる予定だったのだ。


そして、ヤオは遠視魔法に赤子の頃より長けてたのを今のマイケルは理解しているのだ。


「ヤオ、潜れる場所、わかる?」


未だにあっけにとられるヤオに、マイケルが海に顎でシャクって

促せば、


「しってる。ある!」


ヤオが波打ち際を走って指を差す。


『まだ』充石が無い、此の国で、も、奴隷扱いの変異の子は、魔力の捨て駒だった。


「よしっ!!行くよ!ヤオ!」


それを変える事が出来たのは、この瞬間からだった。


マイケルの声に、ヤオが牧場色の巻き毛を揺らして振り向く。

もうすぐ海は、干潮になる。

神話の時代からある今、海中都市となった遺構。


其れがこのウーリューウ藩島海域。


「全ては、この海の中にある!」


マイケルは、

砂浜の遍路装束から金剛杖を拾って、空を、突き仁王立ちになった。


「いざトレジャーハンターへ!」



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