真実のココロ

エピローグ

真実はいつもみている。あなたのことを

だからあなたは真実をみなければならない。

目をあけ、ため息が出る。何度も見てきた変えられない光景が目の前に広がる。行きたくないと行かなければの感情に板挟みにされながら重たい体を動かしていく。姿見に映る姿を見て

「笑えるな」

と呟く。映る顔にはシワが増え28には見えないほど老け込んでいるようだった。

着替えなどを済ませ、朝食を作る。卵を割り、フライパンへ落とす。心地いい音が広がり、綺麗な目玉焼きが出来上がる。最初は卵を落とすと黄身が割れ、スクランブルエッグしか作れなかったことを考えると随分と手慣れたものだ。朝食を済ませ、部屋を出る。

途中で好きだった花とお菓子を買っていこう。そうやって毎年のようにあの場所へ行く。受け入れられない真実を突き付けてくるあの場所へ。