第2話

 突然の男の子の訪問に、私は驚いてベッドから落ちるところだった。だって私の部屋は2階だから。

 よく見ると、男の子は木の上にいた。浮いているのでも、壁を登ってきた訳ではなかった。

「ヤッホー」

 男の子の笑みはとても人懐っこく、顔立ちは猫っぽい感じがした。

「なんで私に声をかけたの?」と訊いたら、「君がさみしそうな顔をしていたから」と男の子は答えた。

 そう言われて、私はなんだか恥ずかしくなった。だけどそれは最初だけだった。

 男の子と話すのは、楽しかった。だけど、人の気配を感じると男の子は、木の上から降りていなくなってしまう。

 そうしてこれから10日間、男の子と毎日会話するようになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る