第9集 人事考課
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社内のセクションにAIが導入、上半身だけの人形が休憩場所にも設置された。人間の社員の表情も良くなったと好評だ。AIは社員の愚痴を聴いているらしい。「貴方は頑張っていますよ」機械は平等に最適な労いを与える。そこで集められたデータが人事評価に影響していると、知る人はいない。
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今日も就活生に講義を終えて通勤電車に乗ると、吊り広告が目に入る。
『スクープ!大手企業でAIで集積したデータが人事考課に反映!AIが人間を評価する時代に突入か』
『大手企業人事部門、人間不在の新事実!』
私はポケットから手帳を取り出し、新しい企画をメモする。『AIに気に入られるための社会人講座』
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AIが最終候補に残した五人のうち、一人は遅刻、一人は瞑想、一人はスマホを注視しし続け、一人は不潔な服装、一人は低学歴だった。役員達はざわつき、社長に問うた。「この五人の中に我々が求める人材がいるのでしょうか?」社長は静かに言った「我が社に足りない物をAIにオーダーした。…つまり、君たちの教育力が試されているわけだ」
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「我が社の利益を最大化しろ」ある通販サイトの社長がAIにオーダーした。通販サイトの「おすすめ」に兵器や武器が並んだ結果、各地で労働環境改善を求めるテロが多発し、競合他社がいなくなった。社長一家は世間から批判を浴び辞任、その莫大な資産で各地に救護施設や教育機関が整備された。まるで南米の密林の食物連鎖と同じ有様だった。
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