第21話 父は満足する♪
side:エリカ
『ズバァッ!』『ズドォーーン!』
『ヒュンヒュンヒュンヒュン』
『スパッ、スパッ、スパッ、スパッ!』
私に交際を申し込んだラルフさんとお父様が何故か我が家の庭で戦う事になってしまいました。
どうしてこうなった?!
先程からラルフさんは魔法を連発して距離を取って戦う作戦のようです。
直径1メートルくらいの炎球を撃ち出すラルフさんは、さすが王族といったところでしょうけど
その炎球を剣で真っ二つに斬るお父様っていったい、、、(汗)
あと魔法で作った風の刃も剣で斬れる事を初めて知りました。
「うふふっ、旦那様を相手にしているのに第3王子もなかなかやりますね♪まぁこれぐらいは頑張って貰わないと、エリカの結婚相手としては失格ですけどね(笑)」
あぁ~
何故かお母様が凄く嬉しそうです。
「ねぇねぇ、エリカはラルフさんの何処が気に入ったの?」
「お姉ちゃん?!ラッ、ラルフさんの事は気に入るとか気に入らないとか、そういう風に考えた事はありませんから(汗)」
「そうなんだ、でも一緒に居て嫌な訳じゃ無いんでしょ?」
「そっ、それはまぁ、、そうですね(照)」
「はいはい、フレデリカもエリカもちゃんと見ててあげないと、後で旦那様が泣いてしまうわよ」
「そこはお母さんが見ててあげれば良いのでは?」
「駄目よ、今は可愛い娘達に良いところを見せるのに必死なんだから(笑)」
出来ればもっと違う事で勇姿を見せて欲しいです(悲)
「あっ?!お母様にエリカ!次が最後の攻撃みたいです!」
フレデリカお姉様の言う通り
ラルフさんは魔法を放つのを止め、お父様は剣を捨てて2人は拳を握り締めて向かい合いました
最後は拳と拳のぶつかり合いで決着を付けるのでしょうか?
真っ向勝負とか正々堂々とか、男の人ってそういうの好きですよね
私には全く良さが分かりませんけれど
「「うぉーーーーー!!」」
『『ドゴォッ!』』
『『バタンッ』』
あっ!
ラルフさんとお父様の同時に放った右ストレートが、お互いの顔に綺麗に決まって2人同時にダウンしました
この場合先に起き上がった方の勝ちなのでしょうか?
っていうか呑気に見てる場合ではありません、どう見てもラルフさんは大ダメージを受けているのですから
「お姉ちゃん急いで!」
「はーい」
近くまで来るとラルフさんは鼻から血が吹き出ていて顔が血まみれで、尚且つ意識も朦朧としています(汗)
逆にお父様は無傷で誰がどう見てもダメージを受けたようには見えませんから
この状況を考えると色々と察する事が出来ます。
「ラルフさん、急いで起き上がって下さい。お父様に勝ってもう一度きちんと交際を申し込んで頂かないと困ります!」
「・・・がはぁっ、、げほっ、はぁ、はぁ、、、ふんぬぅぅぅ!!」
『ボタボタボタボタ』
かなりフラフラしていますが、ラルフさんがお父様より早く立ち上がりました♪
おそらくラルフさんの鼻の骨が折れていて、鼻血が止まらないのが痛々しいですが
「お母さん!これはラルフさんの勝ちですよね?」
「ええ、この勝負ラルフさんの勝利です。」
「お姉ちゃん!早くラルフさんの傷を治して下さい!」
「そんなに慌てなくても大丈夫よ、、、はっ!」
「、、、血が、止まった?これが白魔法の威力か凄まじいね、ありがとうフレデリカさん」
「可愛い妹の頼みを聞いただけですから、礼は不要です。」
ほっ
ラルフさんは大丈夫なようですね
それよりも、私は未だに倒れたまま動かないお父様に声をかけます
「お父様」
「・・・」
「聞こえているのでしょう?返事をしないなら今後お父様に話しかけられても無視しますけど」
「わっ、私はもうしばらく動けそうに無い」
「それなら私が膝枕をしますので動かないで下さいね。確認ですがお父様に治療は必要無いですね?」
「うむ、あれくらいの攻撃は蚊ほども効かんわ♪」
「それなら良かったです。しかしですね、最後のラルフさんへの一撃はやり過ぎだと思います!」
「うっ(汗)」
「でも、だからこそお父様が本気だという事が分かりました。わざと負けるのはどうかと思いますけど
ありがとうお父さん」
「エリカ、幸せになりなさい♪」
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。