第14話 ぼっちご飯改め2人ご飯

side:エリカ






「ねぇ、、、えっと、君は、、」


「エリカです」


「僕はラルフ、エリカさんさえ良ければこのブルーベリーを挟んだパンを売ってる店を教えて貰えないだろうか?勿論謝礼は払うよ」


「これは我が家の料理人に頼んで作って貰ったので買った物では無いんです。」


「そうなんだ・・・」



あらら


よほどブルーベリージャムサンドを気に入ったのね、ラルフさんが分かりやすく落ち込んでしまった



「気に入ったのでしたらもう1ついかがですか?」


「良いのかい♪なら遠慮無く」



ラルフさん凄く嬉しそうです(笑)


おっと!


私も早くラルフさんから頂いたパンを食べないと時間が無くなってしまいます!


あーんっ、、、旨っ!


外側はバリッとしっかりした食感なのに、中はふわふわのもちもちです♪


学生相手だというのにこのクォリティの高さ、やりおる!



さすがは貴族の通う学園の食堂です、料理人も食材も調理設備も1流の物を使っているのでしょう、これなら値段が高いのも納得です。




「ラルフさん、ジャムサンドばかりではなくタマゴサンドもいかがですか?」


「タマゴサンドかぁ、、、それもエリカさんの家の料理人が作ったの?」


「そうですけど、もしかしてタマゴサンドはお嫌いでしたか」


「嫌いというかまぁせっかくだし1つ貰おうかな、、、スンスン、あまり匂いはしないんだねこれなら大丈夫かな、あーんっ、もぐもぐもぐもぐ、ん?


何だろう、ガツンと来る感じが全然無いのにちゃんと味は感じられて、、、」


「優しい味という事ですか?」


「それだ!これなら朝からでも食べられそうだし、3食タマゴサンドでも良いよ♪」




うーむ


ラルフさんの反応から推測すると、学園の食堂で出される料理が口に合わないのでしょうか?


オルヴィエート王国ではスパイスを使った刺激的な料理が主流です。


スパイスを使わない胃に優しい料理もありますが、貴族は自分達の財力を示すステータスの1つとして


スパイスをふんだんに使った刺激的な料理を好みますから、当然ながら学園の食堂で出される料理もスパイスをふんだんに使っていると思われます。


私は1度も食堂に行った事が無いのであくまでも推測ですけれど、食堂の近くを通ればスパイスの良い香りがするので間違いないでしょう。



前世の春山絵里香の記憶では、本格的なスパイス料理を食べると毎回お腹を壊していたみたいなので


スパイスが身体に合わない人にとっては辛いかもしれません


ラルフさんを見る限り、典型的な胃腸が弱い人の特徴を揃えていると言わざるをえませんから


味はともかくスパイスの刺激が合わないのかもしれませんね


となると、お菓子だけでなく優しい味の料理も前世の記憶を頼りに再現してみる価値有りです!



ふっふっふっ


色々と方向性が見えて来ました、スクールカースト最下位からの脱出に向けて


頑張るぞぉー♪






つづく。

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