第10話 父も娘を抱きしめたい
side:エリカ
「ふふふっ、やっぱり母娘の触れ合いというのは良いものね♪」
「ぷはぁっ!、、はぁ、、はぁ、、そっ、そうですね、私もお母さんの温もりを感じられて嬉しいです」
「あらまあ♪お母さん嬉しくてもう1回抱きしめちゃう、えいっ♪」
『ぎゅうぅぅ♪』
「わぁー(汗)」
「ヴィアンカもほどほどにしなさい、エリカが苦しそうではないか」
「あら、これくらい何でもありませんよ。今だから言いますけど、エリカが学園で上手く行っていないのを知りながら、旦那様がそっとしておけと仰るから言う通りにしたのに
結果はエリカがこんなに長く苦しむ事になってしまったではありませんか(怒)」
「うっ(汗)、、、たっ、確かに結果としては私のやり方は間違っていたと認めるが
エリカが自ら壁を乗り越えたのだから良いだろう」
「良くありません!辛かった記憶はこれからもずっと消える事は無いんですから。でも大丈夫よエリカ、お母さんが守ってあげますからね♪」
「お母様ずるいです!エリカは私が守ります!」
「それじゃあ頼りにならない旦那様は放っておいて、フレデリカと2人でエリカを守りましょう♪」
「むむむっ、、、分かった!エリカに辛い経験をさせた学園など今から潰してこよう。辛い記憶を消す事は出来んが、視界に入らぬようにすれば思い出す機会も減るだろう♪」
「旦那様、そういう事でしたら我々も微力ながらお手伝い致します。」
『『『『『スチャッ!』』』』』
えっ?
お父様がとんでもない事を言ってるのに、執事のセバスが同調しちゃって、背中からトンファーを取り出して凄い笑顔なんだけど!
怖いんですけどー(汗)
しかも、部屋に居るメイドさん達もそれぞれ何処からともなく凶悪そうな武器を取り出してるし
私の隣で控えていたメイドさんなんて、スカートの下から身長よりあきらかに長い薙刀みたいな武器を取り出して笑ってるし
そのスカートの中は四次元ポケット的な空間か何かなの?!
おぅふ
まさか我が家に居る人のほとんどが超好戦的な武闘派の集りだったなんて
多分ですけど、お父様の剣の腕に惚れて集まった人達なのでしょう。
重い
家族と皆の愛が重いよ
皆の気持ちはとても嬉しくあるけれど、この超絶過保護家族の好きなようにさせると
私は駄目人間まっしぐらです(汗)
ついでに学園が潰れる危機でもあります。
「えぇーっと、皆さんの気持ちは嬉しいですが、今は皆で食事を楽しみたいなぁ」
「「「「「おおっ♪」」」」」
「旦那様、申し訳ありませんが学園を潰すという些事よりも大事な用が出来ました。」
「うむ、エリカとの食事は何よりも優先せねばならぬから仕方あるまい」
ほっ
とりあえず学園の危機は去ったようですけど
もしかしてこれは、家族仲が悪い場合よりも慎重な言動が私には求められるのではないでしょうか?
私の不用意な発言でウルツァイトハート男爵家が、オルヴィエート王国を相手に戦をしたとしても
最早驚きません。
我が家はそういう家だと理解しました!
今後はお菓子だけでなく、気持ちを落ち付ける効果のあるハーブティーの研究も必要なようです。
つづく。
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