第5話 お姉ちゃん記念日?

side:エリカ





さてと


フレデリカお姉様やメイドさん達との関係が良好だと分かった以上、私の学園での嫌われ者という立場を変えるべく


最初の予定通りお菓子を作ろう!



その前に確認しないといけない事がある



「あの、お姉さ、、、じゃなくって(汗)お姉ちゃんは角砂糖以外のお菓子を知っていますか?」


「うーん、角砂糖以外のお菓子と言うと黒糖の事かしら?」


「黒糖があるのですか?!」


「ええ、王都ではあまり見かけませんけど、もっと南の地域では割と一般的に食べられていますね」



黒糖があるなら欲しいなぁ、砂糖を黒糖にするだけで風味が全然違うお菓子になるんだけど


入手が難しいならやっぱり砂糖無しのお菓子を作るしかないか



「他には何か知りませんか?」


「他と言われましても、、、どうして急にお菓子に興味を持ったの?」


「えっと、それは、、、そう!何かの本にお菓子の事が書いてあったから、それを作ってお姉ちゃんにも食べて貰いたいなぁって」


「エリカの手作りお菓子?!そういう事なら専門家に聞くのが1番です!さあ、行きますわよ」


「えっ、ちょっ、お姉ちゃん?」




フレデリカお姉様に腕を掴まれ引きずられるようにやって来たのは我が家の厨房


確かに食べ物の事なら料理長に聞くのが1番か


でも今の料理長って、2~3年前に前料理長が隠居してから来た人だから


その当時、私室からほとんど出ない生活をしていた私とは顔を会わせる機会も話す機会もほとんど無かったのよね


料理人って頑固で気難しいイメージしか無いんだけど大丈夫かな?



クラスメイトの苛めで泣く事は無いけど、大人の男の人に怒鳴られたら速攻で号泣する自信がある!


まぁ自分が仕えている家の娘にいきなり怒鳴る事は無いと思うけど、、、



『ガチャ』


「ジョゼー!ジョゼは居ませんかー?」



フレデリカお姉様が厨房の扉を開けて料理長のジョゼを呼んでいますけど


厨房は夕食の準備をしている最中なのでしょう、皆さんとても忙しそうです。


これはさっそく『このクソ忙しい時に誰だぁ!』


みたいな感じで怒鳴られる場面じゃないかなぁ(汗)





「ありゃ?誰かと思えばフレデリカ様にエリカ様じゃねぇですか、2人揃って厨房に来るなんて何か、、、ってエリカ様?!」


「ふふふっ、ジョゼが驚くのも無理は無いけれどエリカもちゃーんと成長してるのよ♪」



「あぁ、そういう事でしたら祝いの赤飯を夕食にお出しすれば良いので?」


「そうね、せっかくだから『お姉ちゃん記念日』として祝いましょう♪」




わぁお!


厨房の奥から出て来たジョゼ料理長は厳つい顔で気難しい職人って感じなのに、凄く物腰の柔らかい人だ♪


でもお姉様、『お姉ちゃん記念日』って何?!


恥ずかしいから止めて欲しいなぁ、でもお祝いに赤飯を食べる習慣があるのはびっくりね


これなら前世の記憶にある食材が手に入るかも


ジョゼ料理長の知識に期待しましょう!






つづく。

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