第4話 メイドの幸せ

side:エリカ






『ぎゅうぅぅ♪』



む゛ぅっ?!




フレデリカお姉様とエリカの関係は、私の記憶の中では仲が良いとも悪いとも言えない微妙な関係だと思っていたけれど


『お姉ちゃん』と呼んだら、テンション爆上がりしたフレデリカお姉様に抱き締められてしまった


よく分からないけど、フレデリカとエリカはただの仲良し姉妹のようだ(笑)




そして


私は現在フレデリカお姉様に抱き締められて、顔を胸に押し付けられている


お姉様のお胸はとても柔らかくて心地良いのだけれど、息が出来なくてなんとなく綺麗なお花畑が見えるような気がする


どうやら私はこのまま次の人生に行くみたい、短い人生だったけど我が生涯に一片の、、、



「ねぇエリカ、もう1回私の事を呼んでみてくれないかしら?」


「ぷはぁっ!、、、はぁ、、はぁ、、え?、、えっと、、お姉ちゃん」


「は~い、お姉ちゃんですよ~♪」




なっ、なんだろうこの可愛い生物は、姉ってこんな感じが普通なのかな?



「「「「「うっ、うぅっ(泣)」」」」」



むむっ!


今度は何?!


周囲を見るとメイドさん達が私とお姉様のやり取りを見て号泣しているではないか!


これはどう判断すれば・・・



「うふふっ、驚いているみたいだけど皆がエリカを心配していたのよ。


エリカが人と積極的に関わる事を避けるようになってしまってから、私はなんとかしようとしたのだけど、お父様がしばらくそっとしておくようにと言ったものだから皆エリカとどう接して良いか分からなくなってしまって


でも大丈夫よ、こんな馬鹿な事を言ったお父様など私がボコボコにしますから!」



あぁ~、なるほど


皆が気を使って色々考えた結果、不運な事にギクシャクした関係になってしまったと


だから仲が良いとも悪いとも言えない微妙な関係の記憶だったのか


って言うか駄目駄目!



「お姉様、ちょっと待って!」


「むぅ(悲)」



わぁーー!


またお姉様が悲しそうな顔をしている(汗)



「えっと、お姉ちゃん、お父様をボコボコにするのは止めて欲しいなぁ」


「エリカのお願いなら仕方ありませんね、お父様をボコボコにするのは延期します。」



ほっ


とりあえず良かったけど中止じゃなくて延期なのはどうなんだろう?




「エッ、エリカ様が御自分から意見を?!」「御立派でございます(泣)」「ずっと夢見ていた日がやっと来たのね♪」「女神様に感謝を!」




おーい


そこのメイドさん達


喜んでくれるのは嬉しいんだけど、泣きながら無言で万歳三唱するのは恥ずかしいから


やめてぇーーー(恥)






つづく。

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