歩いてヨコハマ無駄話

金沢八景

　すみません、いきなり愚痴。

　＆ 中心部じゃない所のご紹介！

　家族がアニメ「ぼっち・ざ・ろっく！」を観て、ひとりちゃんが私に似てるとか言い出したんですけど。

　主人公の後藤ひとりちゃん。コミュ障で陰キャで挙動不審。

　そんな自分でも輝ける場所がほしくて、バンドを組むためにギターの練習をしています。

　中学三年間ずーっと自室の押し入れで練習。上手くはなったけどバンド仲間を募集するコミュ力がなくて、ぼっちのまま。

　うん私、中学の人達を避けるために学区外の高校に入ったよ。

　それはひとりちゃんと同じだな。下北沢までは通学してないけど。

　うん、友だち少ないよ。チケット売るの辛いよね。

　すっごくわかるよ……。

　うぐぐぐッ！

　ああそうですよ。このアニメ、なんかキツくて第一話を数分観て、そっと消したわ！

　今さら、わざわざ見せる？

　知ってる景色だよねー。

　これどこかわかるー？

　と第六話を視聴させられました。

　わかりますとも。

　ひとりちゃんは横浜の南の端、金沢八景在住だそうです。

　横浜市金沢区。

　京浜急行とシーサイドラインが通っている金沢八景駅が最寄りですね。

　ライブチケットが捌けなくて困ってたシーン、金沢八景駅前の琵琶島神社です！

　その後シーサイドラインの高架下で路上ライブやってました！

　夜の花火は八景島シーパラダイスですね！

　……キレ気味に紹介するのはよくないですね。

　でもさあ、人の傷をえぐるなよ……。

　この辺りは、江戸時代のリゾート地なのです。

　金沢八景という名称は、この金沢の景勝地を八枚の浮世絵に描いたから。

　江戸湾に面した海。渡る雁。夕景に帰ってくる舟の帆。

　そんな景色が描かれています。

　幕末・明治には東京近郊の海辺の別荘地として金沢区周辺が人気だったそうです。政治家や文化人がこぞって遊びに来たらしい。

　八景からすぐの野島には、伊藤博文が別荘を構えました。

　大日本帝国憲法草案起草の地だとかなんとか。あ、仕事を持って来てたってことか。お疲れさまです。

　その後は海浜別荘地のトレンドが大磯の方に移ったのだそう。それがいわゆる湘南です。

　それを考えると、金沢区はずいぶん近場な別荘地でした。やはり移動手段が限られる時代だったからでしょうか。

　金沢八景、今は埋め立てが進み、浮世絵の頃とは海岸線も変わっています。

　マンションが建ち並んで、風情はあまりない……かな？

　でもアニメにも描かれていた琵琶島神社と、真正面にあって対になる瀬戸神社。それは昔をしのばせます。

　神社前のローソンまで、ちゃんと出てきたわ、アニメ。すごいですね。

　次回は、ちゃんとヨコハマ中心部の観光地をやりましょう。