ショートフィルムを見た後のような余韻が残りました。
音楽の専門的なお話はついていけていなかったですが、むしろそれが、ある程度道を極めた人だけが感じる没入感、高揚感というもののリアルさにつながりました。
また適度に入り混じる小ネタ(アメリカ人だったの! もしかして音痴? 皮膚病て(笑)……)が上手に効いており、最後まで飽きさせずに引っ張ってくれているように感じました。
読み終えた後、ネットで「追憶」を調べて聴きました。どこかで聞いたことのあるメロディーで、映画の主題歌だったのですね。それを知らなくても、後半、昔の青春映画を見返しているようなシーンだな、切なくて素敵だなと感じたので、ご存じの方はたまらないだろうなと思いました。
素敵なお話をありがとうございました。
作者からの返信
書いてよかったと芯から思えるコメントをいただきました。レビューともどもありがとうございます。
音楽小説に限りませんが、そっち系の言い回しを連発して、スピードと幻惑効果(?)みたいなものを狙ったやり方というものがありまして、読み手がついていけなくなるリスクとのさじ加減が難しいのですが、ポジティブに感じていただけたのなら何よりです。実のところ、本当の専門家に読まれたら、「何だこの主人公、アマチュアじゃねーか」とか言われそうな甘い出来だと思います 笑。
レビ記のところは最初黙示録を入れてたんですが、もっと馬鹿っぽい記述がないかと探し回って、見つけた次第です。ほんとは艶笑譚みたいなのがほしかった。探せばあったのかな? しかし何でもありますね、聖書って。
「追憶」は以前、確かネスカフェのCMで使われてました。一昔前の「映画音楽ベスト」みたいなのでは必ず十位以内に入ってた曲ですね。映画自体はそれほど名作でもない、という印象なんですけれど、あの時代のアメリカ映画は青春ものの盛り上げ方がほんとにうまかったです。音楽しかり。
で、その珠玉の名曲が霊の干渉により、別の意味で大化けして、というのが本編だったわけですが、ここは曲を知らない方が素直に笑えたかもしれません 笑。
素敵なお言葉、重ね重ねありがとうございます。
流れるような文章でスラスラと最後まで読めて楽しかったです。
音楽用語はほとんど分かりませんでしたが、死してなお演奏したい、音楽に携わりたい情熱は本当に素晴らしいですね。
幽霊と芸術はよく似合うと思いました。
作者からの返信
コメント並びにレビュー、ありがとうございます!
クラシックネタをご存知の方ならさらに大笑いできる、という作りにしてしまったので、そうでない方にはちょっと申し訳なかったです。解説編みたいなもの作ろうかなとも思ったんですけれど、カクヨムのシステムだと、音声ファイルは入れられないのですよね……まあ、E♭およびE♭6の違いとかのくだりは、正直どうでもいいところだったりするのですが。
>死してなお演奏したい、音楽に携わりたい情熱は本当に素晴らしいですね。
情熱、と書けば美しいですが、まあ妄執ですね……素晴らしいと評価してくれる観客がいる限り、奴らは弾き続けようとするでしょう 笑。
案外この主人公も、死んだら二人して弾き続ける展開になってしまうのか……でもホテルは儲かりそうですけれど。
楽しく読んで参りました(*^_^*)
いつもの突破判定です(*^_^*)もちろん突破成功(≧∇≦)b
忙しい中でご参加ありがとうございました(*^_^*)
音楽は才能も知識もないのですが、コメディ調で、楽しかったです(笑)
作者からの返信
あがとうございます!
企画締め切りギリギリで失礼しました。いったんは「難しいかも知れません」と逃げを打った湾多ですが、試しにアイデアを探ってみたら、「今書いてる作品の延長で探ってみたら、楽に出てくるんでは?」と思いつき、あとはそれなりにするすると書けました。
書きながら、なんか例によって長めの文になっているなあとは思っていたのですが 笑、私はどうも饒舌体がいちばん肌に合っているらしく、そのままいかせてもらいました。結果、音楽用語等、ややその筋向けというか、とっつきにくいところが出たかも知れず、そちらの方でもわがままな文ではあったかもしれません。
個人的にはかなり楽しんで書いた方だと思いますけれど、まあ色々と申し訳ない感が残りましたので、次は三千字台で書きます。予告執筆宣言です。
オカルトやホラーは苦手なのですが、音楽の話なのと、誰も恐怖を味わったり危険にさらされたりしなかったので、わたしにも楽しむことができました。
>『演奏家生命に関わるから、舞台の上で絶対にハミングをするな』
バッハと言えば、わたしにとっては敬愛してやまないピアニストであるグレン・グールドが一番に思い浮かびますが、彼の演奏は鼻歌混じりですね笑。
彼はライブ公演には早々に愛想をつかしてもっぱらレコーディング専門になりましたから、もしかして彼のことなのかしらと思いながら読ませていただいたりしました。
作者からの返信
早々のレビュー並びにコメントありがとうございます。
お題がお題なので、少し真剣にホラーをやろうかとも思ったのですが 笑、現状、すっかり音楽ネタに漬かりきった毎日なので、すぐに出てきたプロットもやはり音楽ネタのコメディ路線でした。
グールドもそう言えば鼻歌入れてますね。まあ、さすがにあそこまで神格化されてる人を、こんな話のモデルには出来ません。ピアノの腕はいいのに、歌わせてみると致死性の音痴というのは、むしろラノベのテンプレそのままだったりします。
昨今のピアニストは、ボーダーレスで当たり前な人も増えてるんで、そっちの意味では、似たような人などいくらでも探せるかも知れませんね。でも、そういえばグールドも結構柔らかい音楽弾いてたり、バラエティーショーのパロディーみたいな録音作ったり(ほとんどスネークマンショーみたいな)、思えば変な人でした。……あ、意外と今回の主人公と近いかも。
「The way we were」を聞きました。
この小説を読んで想像してた音楽とはまったく違いましたw
作者からの返信
コメント並びに本文付きのレビュー、ありがうございます!
この作品ではないですが、裏六甲も一気読みみたいな感じで一読していただいたようで、恐懼しております w
本作のレビュー文の方では「由緒正しい「アメリカのゴースト小説」」と評していただきましたが、洋モノのノリというのはある程度意識してました。まさに、ひゅ〜どろどろどろとは対極的な、欧米流の(多分足つきの)幽霊ですね。
>「The way we were」を聞きました。
>この小説を読んで想像してた音楽とはまったく違いましたw
こっちはコメントいただいて「えっ!?」っと思ったんですが 笑、考えてみたらこの話って、文章そのものはほぼ百パーセントドタバタコメディなんですよね。なんとなく、画面はスラップスティックで、でも音楽とかは妙にエモい、往年のアメリカンドラマの名作みたいな、複層的な感動巨編(のショート版)みたいな作品が書けたぞ、なんて思ってたんですけれど、曲を知らない人が文章から入ったら、ただのドタバタにしか読めんというわけですか。まあ、そりゃそうですな。こういう勝手な思い込みで、読者の反応に首を傾げてるアホな作品が他にもありそうな気がしてきました……。参考になりました。ありがとうございます。
ラストは人間とゴースト三つ巴の口喧嘩のシーンに、「The way we were」の原曲版がオーバーラップしながらひときわ高まって幕、というイメージにしたつもりなんですけれど、まあそれも伝わりようがありませんね。とりあえず書き手としてはそういう意識でしたということで、脳内補填していただければ ^^。