第3話

 勢いのまま、予約した。なぜ予約したかを考えてしまうと全てが終わる。だから、深く考えない。

 準備と言っても、休日出勤しないよう仕事をすること服装をどうするか、どんな気持ちで行くのか、どういう態度をするのかと言ったイメトレだ。服装についてはお金と時間の無さを考えて家にあるもので何とかすることにした。

 気合を入れた服装をしたいという思いもあった。ひとりでも平気だという雰囲気でいたかったが、動いたりもするだろうし、バンジージャンプへの気合を入れた服装なんて想像できなかった。陽キャでもないし。あと、場違いな格好とか死ぬ。

 家に着いて、自分にゆっくり休む暇も与えず服の確認をした。とりあえず、家にある動きやすい服装を探した。見つけたのはいつぞや買ったジャージがあるのと、ジーパンがあるくらい。山なりキャンプに行く服装をイメージしたけど、なにせ私はインドアなのでそんなものはない。

 家にあるぎりぎり山に行けそう格好をチョイスした。リュックとスニーカーはあるのでとりあえず大丈夫。服装の確認を前々日にする私はなんて仕事ができるのだろう。と、思い、自分のことを早々に済ませ寝た。

 バンジージャンプの前日、予定以上に残業してしまった。本当はマニキュアをしたかったが、諦めるしかない時刻。そういうときは、特に自分のせいでも何でもなくてもなんとも言えない自分自身への嫌悪感が発生する。でも、塗って中途半端にガタガタになったり、気泡ができたりするよりかはマシだと言い聞かせ寝る準備をする。

 明日は朝が早いんだ。早く寝ないといけない。しかも、ひとりで今まで行ったことのない場所に行く。

 全て余裕を持って行動しないといけないのに睡眠時間は5時間を切ってしまってる。まだ、髪の毛乾かしてない……。焦るだけで時間は過ぎていく。念の為、明日の服装、持っていく物、財布、スマホ等々確認をした。

 睡眠時間4時間半は確保できそうだ。少し安心して寝た。

 朝は、眠りが浅く逆に早起きできた。前日に何着るか決まっていたので少し余裕を持って行動できそうと思っていたが、何故ギリギリになった。不思議すぎる。毎回出かける度に、時間を見ては驚き飛び出す。今回も安定した出発だった。

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