第4話 乙女マリィと酒と涙2/2
「うーん、頭が痛いよー」と言い目覚めるマリィ。
マリィは酒場から宿屋でパーティが借りている部屋のベッドに移されていた。
ニガヨモギが「お、起きたねマリィ」とマリィに近づいて来る。
「マリィね、酔っ払って椅子ごと倒れて酷く頭を打ち付けたんだよ」
そうニガヨモギが言うと「ええっ! せっかくの私の歓迎会なのに私は寝ちゃったの!」とマリィは驚く。
「とりあえず鎮痛剤を飲みなさいな。脳に問題は無いけれどもこぶが出来てるから」と言うとニガヨモギが鎮痛剤を差し出す。
カーサンが「ニガヨモギは医術大学も出てるから。医学にも長けてるのよ」とマリィに説明した。
「ニガヨモギありがとう」とマリィは受け取って鎮痛剤を飲んだ。
「…家のパーティは弱小だからね。何でも作らないとお金も掛かるからねえ」とちらりとイツキを見るニガヨモギ。
しかしイツキはニガヨモギのイヤミをいつもの事だとかわした。
「…マリィ昨日の事を覚えてる?」とカーサンはマリィに聞いた。
「…何にも覚えてない」とマリィはてへっと下を出した。
ニガヨモギはイツキにそっと「どうするんだ?」とマリィの事を聞いたが、イツキは「何の話ですか」と返した。
イツキには珍しいほど冷たい反応だった。
ニガヨモギは一瞬引きつった顔をする。
マリィは「頭が痛いよー」と泣きながら布団に潜ってしまった。
カーサンは「マリィを看病しないと…」と言い、医者でもあるニガヨモギに相談を持ちかける。
ニガヨモギは「二日酔いは立派な病気だけど、鎮痛剤くらいしか対処がないからなあ…」と困った顔をした。
そしてイツキは何もしないで冷めた目でマリィを見ていた。
布団でもごもごしているマリィを見て、イツキとニガヨモギとカーサンは失笑。
「…ごめん、マリィちょっと面白い」と何もしてないのにくぷぷと笑うイツキ。
その時マリィは改めて顔を出した。
「みなさんごめんなさい…でも昨日の事は本当に覚えてないの。私、何かしちゃったかな…」と言うと、相談していたニガヨモギとカーサンも失笑した。
カーサンは「マリィは面白い子だからね。またお酒を飲もうね」と半笑いでマリィに言う。
パーティメンバー全員で「そんなに悪いことはしてないからね…」と笑いながらマリィを慰めた。
マリィはそれを聞きホッとして人生初の二日酔いを治すために眠りについた。
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