49: 0.01mmのアレを見て……
ちひろからの連絡がくる少し前。
「やっとおうちに帰れたー。ちーちゃんジュースとかない?」
「もう元気なんだから自分で取りなよ……」
「そういって持ってきてくれるちーちゃん可愛い〜」
「も、もう……」
今日はようやく私が退院した日。流石にそろそろ自分の部屋のベッドが恋しくなっていた頃だから、やっと帰れて安心した。いやー、しばらく帰ってないと家もすごく恋しく思えるや。
でも何より一番退院して楽しみなのは……真田くんとデートできること! だって私たちはもう……恋人なんだから!
ああ、これからどんなことしよう。やっぱり二人でディ●ニーにいって一緒に遊びまくったりするのはもうマストで、美味しいご飯を食べに行くのもアリだし温泉にも行きたい! どうしよう……真田くんと一緒にやりたいことが多すぎるよ。だめ、これじゃあ興奮して頭が落ち着かないや。ちょっと外に出て一旦落ち着こうかな。
「ねぇちーちゃん。ちょっと散歩がてらコンビニ行ってお菓子買ってくるね」
「え、大丈夫? 私も一緒に行くよ」
「大丈夫だって。近くのとこ行くだけだから。じゃあ行ってくるね!」
そして私は近くにコンビニに向かってお菓子を見て回る。コンビニのスイーツって結構美味しいからついついいっぱい食べちゃうんだよね……でも真田くんにはスタイル抜群の私を見せないからほどほどに抑えないと。どれにしようかな〜、よし、これにしよう! さてさて、レジに行って買わないと……
「えーもうほんと絶倫すぎて草ー」
「お前がエロいのが悪いんだろーこのこのー」
「うっさーあんたがすけべなのが悪いんでしょーすけべ大魔王。0.01mmのこれいっぱい買いすぎー」
……カップルだ。しかも、すごい数の避妊具を買ってる。
ん? 0.01mm……コンドーム……
———
「お願いします」
「………………こ、これ…………あ、あっ……さ、真田くんには早いんじゃないかなぁ…………」
「いいえ、早くないです。もう俺も子供じゃないんで」
「…………へ、へぇ…………さ、真田くんに彼女が…………い、いつの間に…………」
「つい最近ですね」
「あー…………そっかぁ………………」
「では、俺はこれで」
「お、おつかれー………………」
「…………さ、真田くんに彼女……わ、悪い虫がついちゃった…………。さ、真田君の童貞……と、取られちゃった……………ず、ずっと狙ってたのに……い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁあぁあああ!」
———
……
……
……
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!」
お、思い出しちゃった! ぜ、全部思い出しちゃったよ! 私がずっと真田くんが好きだったことも、楽しい思い出も、そして……私がどうして真田くんにえっちなことをひたすらしようとしていたのかも!
そうだ……私は真田くんの童貞喪失を上書きしたくて、彼女がいるって言ってた真田くんをなんとしてでも奪い取るために奮闘して……えっちなことばっかり考えていたんだ。
で、でもなんでこんなところで、しかもコンドームを見て思い出しちゃうの私! これじゃあ真田くんに顔向けすることができないよ……あ、あれ? な、なんかすごい思い出したらムラムラしてきたというか……す、すごい真田くんのことを身体が求めちゃってるというか……。
「あ、あのーお客さん、こっちのレジ空いてますよ」
「あ、ちょっと待ってくださーい。……よいしょっと」
「え(こ、コンドームをいっぱいカゴに……!?)
さてと、これで真田くんとヤる準備は整ったね。あとは……真田くんと会えば万事解決。あ、でも今日は真田くん学校の用事で会えないって言ってた……それは仕方がないよね。うん、私……我慢しないといけないよね……。
「あ、お姉おかえ……あああああああああああ!? な、なんで袋いっぱいにこ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、ここここここここここここここここここここここ……えっちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「……」
「えっちえっちえっちえっちえっち……お、お姉……?」
「会いたい」
「え?」
「真田くんに会いたい!」
「う、うわぁ!?」
自分の気持ちを落ち着かせるために少し散歩をしたのに、まさか家に帰るともっとひどいことになってしまうなんて自分でも想像してなかったや。でももう抑えられない。私は家で「真田くんに会いたあああああああああああああああああああああああああああい! 会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい!」と連呼する。あと心の中で「真田くんといっぱいえっちしたあああああああああああああああああああああああああああい!」も言ってた。
でも本人に直接は言えない。だ、だって……重い女だと思われたら嫌だもん。だからこうして家の中で発散するしかない。ああ、今すぐ真田くんのことぶち犯したいよぉ……。
「お姉落ち着いてよ! ああもう……こうなったら真田くんに連絡するしかないよね……」
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