3-3 交友関係発展の始まり
入学式からどれくらい経っただろう。もしかしたら、翌日だったかもしれない。
そのくらい曖昧になってきた記憶。
忘れそうで、他人にはどうでもいい記憶かもしれなくて、自分にとっては大切な思い出。
一人の女の子が自分の机のところに来た。
わざわざ自分に喋りかけにきたのだ。
どんな言葉からはじまったのかも覚えてない。
覚えているのはそのときからずっと友達だという事実。
当時の自分は何にも考えてなくてというか考えるということが苦手でただ喋る友達ができたそんなところだったと思う。
この頃の友達という概念は少しでも喋ったり遊んだりしたことのある人達のことで、いわゆる知り合いレベルから親友レベルの膨大な幅を等しく単に友達と呼んでいた。
知らなくてもしゃべれば友達。そんなどこかのこども向けアニメの世界が自分の世界でそれが世界そのものの真実だと思っていた。まさに夢の世界で理想郷だ。
彼女は初めて小学校に入ってできた女の子の友達である。
今思えば、なんの理由もなく声をかけたわけではないことがわかる。
彼女は自分の初めての友達と同じ幼稚園に通っていて家族ぐるみで仲が良かった。
二人とも上に兄姉が居て、そこも同じ学年であることも大きな理由の一つだろう。
彼女は彼の新しい友達としてその人物に対して話しかけたんだと思う。親に仲良くしてあげてと言われていたのかもしれないけど。
だから、彼女はきっと彼と出会ったという出来事があったからこそしゃべりかけてきてくれた。最初のきっかけが彼という共通の友達ができるということだったんだと思う。
全て、推測でしかないが彼と出会った友達なったという出来事がトリガーになっていたそんな気がする。
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