第15話 サイコメトリーってなんぞや?
「サイコメトリーなにそれ?」
アーサー師匠が未だに怪訝そうな顔でユエさんの口から出た聞いたことない言葉に反応する。
「亡くなった人の物または亡くなった場所に残った残留思念を読み取る事が出来る能力よ」
「なにそれ魔法?」
「魔法じゃない。魔法とは違う力よ、超能力ってやつね」
「つまりサラは超能力者だったてこと?」
「待って下さい!! そんな力持ってないですよ!?」
いきなり超能力とか言われてテンパった私は否定する。
錬金術師の両親の元で普通に育ってきたのだ。超能力なんて無縁の生活を送ってきた。
それなのに今になって超能力って意味が解らなすぎ!!
「魔力と違って超能力は生まれつきかいきなり取得する力よ。急に芽生えてもおかしくないわ」
「それでもいきなり言われてもピンと来ないというか・・・・・・」
「もしかしたら今の状況下でサラちゃんの中に眠っていた力が目覚めたのかもね」
「えええええ~」
もう驚くことしか出来ません。
この力、受け入れるしかないのか・・・・・・。
でもな~、私だけ見てそれを周囲に話すってのはめんど・・・・・・、理解してもらえないかもしれない。
現にアーサー師匠は信じ切れてないみたいだし。
う~ん、レシピ本に残留思念を近くに居る人と一緒に見れる道具とかないかな。
「まあ、兎に角、そのビクトリアってメイドの部屋に行ってみる? 一通り見たけど、屋敷の地図ぐらいしかめぼしい物なかったし」
「そうね。サラちゃんもそれで良い?」
「はい、行きましょう」
という事で次の目的地は私が見た残留思念で出てきたビクトリアさんの部屋へ行く事に。
地図を見た師匠が言うにはメイド達の部屋はセバスチャンさんの部屋からさほど遠くない位置にあるらしい。
遠くなくても、またデスメイドが現われるかもしれないから。
「ぷにちゃん、宜しくね!」
ぷにちゃんを撫でると嬉しそうに揺れる。可愛い。
その光景をトラちゃんが憎々しげに見てるのでトラちゃんも宜しくねと撫でた、にゃん♪ と可愛く鳴かれました。可愛い。
「サラちゃん。貴方が見た記憶ではアリシア・ローランドの恋人に色目を使っていたメイドが居たって言ってたわよね」
「はい。言ってましたよ。辞めさせたくても辞めさせられないって困ってる様子でした」
ユエさんが問題メイドについて聞いて来た。
何か引っかかる事でもあったのかな?
気になって、聞いてみたら。
「他のメイドの幽霊を見てないから憶測に過ぎないけど、私達が遭遇したメイドの幽霊達、全員、顔が削がれてなかった?」
ユエさんに言われて気付く。
出会ったデスメイド達の顔は刃物によって削がれ、顔が潰れている。
――アリシア様の今の精神状態を思うと何があるか解らない。
セバスチャンさんが記憶の中で言っていた事が頭を過ぎる。
研究が上手くいかなくて引き籠もっているような状況の中で恋人が色目を使われてる現場を見てしまえば、恋人が浮気してると勘違いしてしまうかも、いや、もしかしたら誘惑に負けて浮気したのかもしれない。
最悪の展開が思い浮ぶ。
もしかして、あのメイド達は。
「幽霊は生き方、死に方、或いはこの世の未練から姿が決まると言われているわ。あのメイド達に関しては死に方かしら」
「・・・・・・・・・・・・アリシア・ローランドがこの屋敷のメイド達の顔を潰して殺したかもって事ですね」
最悪の展開、それは屋敷に居る全てのメイドをアリシア・ローランドが殺すということ。
恋人が自身に仕えるメイドと浮気、その事を知ったのなら精神状態がギリギリだったアリシア・ローランドが凶行に及ぶ姿が容易に想像出来た。
「只の憶測だけどね。
でも、そう考えると、この屋敷が幽霊屋敷になったのはアリシア・ローランドの凶行のせいかもしれない」
そう言うユエさんの目は屋敷の置くに居るであろうアリシア・ローランドの幽霊をギラリと睨んでるように見えた。
薄暗い中。
女は鏡を見つめる。
――うふふ、うふふふ。今日も私は綺麗。
不気味は笑い声を発しながら、己の顔をじっと見つめていた。
錬金術師、お化け退治す うにどん @mhky
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