第二十話

 卒論の出来と四年間の成績と大学院入試の出来が大学院生スカラーシップ入試の合格の条件となる。内部進学者スカラーシップ入試の場合は第一外国語と第二外国語が免除となる。その結果は……見事大学院もスカラーシップ合格を果たした。教会ではまた大パーティーとなった。修了すれば牧師になれるのはもちろん、北部バプテスト派の中核を担う人間になる。卒業式が行われた。一般学生のかなりが仏教の宿坊を兼務する職業に就く。やっぱりこの国は仏教国なのである。それも大卒以上じゃないと取れない国家資格である学芸員資格もセットで取る。こうすることによって宝物殿も運営する事が出来るからである。もうブラック企業に行くという恐怖は八景学院生にはほぼ居なかった。時代は変わったのだ。だから卒業生の顔は明るい。卒業証明書と学芸員資格証明書が渡され、学生証に穴が開けられる。自分たちは卒業証明書と図書館司書資格が渡された。

 ところで大学院入学者はいったん学部の卒業式を迎えてもう一回新大学院生として入学式で学生証をもらう。つまり二回卒業式を迎えるのだ。


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