6-7

 日曜日、私はお母さんに岬と出かけるからと、ウソをついてコウのマンションに向かっていた。途中、コウの好きな豚の照り焼き丼を作ろうと、その材料を買っていたのだけど、しばらく、抱いてもらってなかったので、そのつもりもあったのだ。もう、冬が訪れるのが近い、冷たい風が吹きつけて、ウソをついて出てきた私を責めているような気がしていた。


 部屋に入ると、私のショートコートを脱がしてきて、その下に着ているニットのワンピースもたくし上げるようにして


「ミミ 今日は久しぶりだし、ベッドですごそうよ」


「えぇー もう するの?」と、言いながらも、私はワンピースを脱いで下着姿のままコウに抱きついていったのだ。私も、早く抱かれたかったから。


 それから、長い間、全身を愛撫されて、ようやくコウがきてくれたけど、私は快感に酔いしれていて、終わりが近づいた時にはコウにしがみついたまま、口を大きく開いて声も出なくなっていた。余韻に浸って抱きついていったんだけど、コウは何となく、天井を見たまま、私の身体を抱いてもくれなかった。


「ねぇ 私 もっと 乱れるようにいやらしくないと コウって 燃えないの?」


「そんなことないよ よかったよ」


「うーん なんか 違うんだよなー だけど 私は すごく、気持ちよかったんだけど まぁ いいや 御飯食べたら もっと 今度は頑張るネ」と、コウのホッペにチュッと


「ふふっ ミミも ・・・」


「ねぇ なんか 上に着るもの貸してよー 御飯 用意する 照り焼き丼だよ 後で頑張れるように」と、私は腰のところが細いレースのローズピンクのショーツを穿きながら起き上がった。


 私が、トレーナーを借りて、ご飯の用意をしていると


「ミミ もう少し、東京寄りに越そうと思っているんだ それに、もっと調理場も広いとこ」


「ふーん 家賃 高くなりそうね」


「まぁな 何とか出来る範囲でな」


「そう 私が 通えるとこにネ」


「あぁ 考えてるよ あと 又 実家に帰るよ 正月まで」


「えぇー やだぁー 又 会えなくなるぅー」


「クリスマスでピューレとか忙しいらしい 手伝いにな 莉子さんにあんまり負担掛けたくないし」


「そうかぁー 新婚さんだしなぁー しょうがないかぁー じゃぁー いっぱい 可愛がってよー あとで」


 そのあと、私は喘ぎながら動いていて、後ろ向きになった時には、思い切っていやらしいことを言いながらお尻を振っていて、最後には歓喜の声をあげていたのだ。その後は、夕方まで抱き合いながら、又、愛してもらって過ごしていた。


 帰り道に、どうしてこんなに恥ずかしいことも平気でするような女の子になってしまったのだろうかと、私は、すごく悪いことをしているような・・・お母さんの顔を浮かべていて・・ごめんなさい と・・。 

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