6-6

 登校の日、授業が終わって、光瑠が私に洋服を買いに行くので付き合ってほしいと言ってきた。


「ウチもな ちょっとお嬢様風なの要ると思ってなー 一緒に、選んでーなー あんた等に併せたいしー」


「まぁ いいけどー」と、この日は岬とは授業も違うので会わなかったのだ。そして、光瑠と渋谷まで出て


「わぁー これ 可愛い どう? ミミ」


「うーん ちょっと 子供っぽくない?」光瑠が指刺していたのは、襟元がレースアップされていてスカートの裾もレースを施してあるものだった。


「あのさー 私達 お嬢様でも なんとなく、品のあるものなのよー だから、チャラチャラしたものは着ないの」今日の私は、襟元が少し開いた濃紺のシャツワンピースでウェストを細い紐のリボン、胸元には、コウからもらった四つ葉のネックレスといった恰好だった。


「そうだね そういえば、ミミ達はそんなに派手なもの身に着けてないよねー」


 それから、あちこち歩いて、結局、私の来ているのと同じようなブラウン系のツィード生地のものを光瑠は選んでいた。そして、その場で着替えて靴も併せてパンプスを買って、ようやく、お茶を飲んで休んでいて


「ねぇ ミミって彼氏居るの?」


「ウン 居る お付き合いしてる人」


「そうかーぁ だよねー 可愛いモン どんな人?」


「今、4年で、就職先も決まっているよ たぶん、東京」


「へぇー いつから? どうやって付き合い出したのン?」


「高校の時にね もう、1年半になるカナー そうだ 琵琶湖の見える浜大津の公園が思い出の場所なんだよ」


「えー あそこがー ウチ 学校行くのに通っていたけど、割とスルーしてたかなー そこで、告白されたんだぁー」


「違うよ 私が 一方的に好きになっちゃった」


「へぇー ミミって おとなしそうな顔して 割とヤルやんかぁー」


「そんなことないよ 私にとっては 初恋だったから」


「ふぅーん ミミを夢中にさせる男って どんなんやろーぅね 今度、紹介してヤー」


「まぁ 機会あったらネ 光瑠は居ないの?」


「高校の時 何人かと付き合ったけど・・ 燃え上がるようなのは無かったからね 大学入って 今は、フリーだよ」


「そうかー 女子大 選んだから 知り合う機会もそうそうないネ」


「なんだよ 合コンとか あるのかと期待してたら コロナじゃない ウチ等の青春をどうしてくれるんやって話だよ」


「ふふっ いつまでも こんなの続かないって 光瑠は明るいし、直ぐに、お友達増えるよ」



 

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