5-7
次の日、朝起きて、顔を洗って、お台所に行くとお母さんがご飯の支度をしていたので
「あっ すみません 私 何かお手伝いを・・・」
「いいの もう そうね じゃー ご飯入れるから お膳に持って行ってちょうだい」
「はい」と、お盆にお茶碗が乗せられるのを見ていて、「これはお父さん、これはタク、これはコウとミミちゃんネ」と、説明されて、次は、けんちん汁だった。
「おっ 今日から 花が咲いたようだな」と、お父さんも、ゆっくりと少し高い座椅子に座ってきた。食卓にはお漬物にアジの焼き物、野菜の炊いたもので、私はけんちん汁が苦手だったんだけど、無理にでも食べていた。コウとお兄さんは今日の仕事の配達先とかを打ち合わせしていた。
食べ終えると私は、昨日の仕事場に向かおうとしていると
「ミミ 大丈夫か? 僕は、今日も配達で居ないけど・・ なんか困ったら、ハウスに兄貴が居るし・・ 電話してくれても構わんしな」
「ウン 大丈夫と思う 莉子さん 親切だし だけど、ねぇ・・ お昼ご飯 用意 お母さん 手伝った方がいいの?」
「あぁ 任せてていいよ こっちのほうも忙しいはずだから 莉子ちゃんに聞いてな じゃぁ 行ってくるよ」
作業場に行くと、もう莉子さんが居て、苺を洗う用意をしていた。
「すみません 遅くなって 私 これ 洗えばいいですか?」
「うんちゃ ふふっ 一緒にネ 洗い方とか ダメなやつの見方教えながらね でも 楽しいなぁー 今まで、独りでやること多かったっぺっ でも、ミミちゃんが来てくれて」
「はい 私も 莉子さん 親しみやすくって よかったぁー」
その後は、ヘタ取りをしながら、話始めた。
「ヘタを取ってからから、洗うとネ なんかおいしいとこが逃げるような気がしてね ヘタを取った後、もう一度さーっと洗い流すんだぁ でも あんまり力入れて握っちゃぁダメよ キズつくだんべ 女の子も優しくしてくれないと嫌だっぺ?」
「あっ あー そうですね あのー 莉子さんも 今 お兄さんと住んでるんだすか?」
「あはっー だすかって何よ ミミちゃん 言葉変になってるぅー 私は まだ 実家よ 近くだけどー 結婚決まって、新居は出来たんだけど、嫁入り前の娘が けじめは、ちゃんとつけなきゃーいかんとってー 結婚前に赤ちゃんできるようなことされたら、たまらんって おやじにすごいこと言われたっけっ」
「わぁー そんなことぉー お父様って はっきり言う人なんですね」
「そうだね でも ウチの家族はみんな 遠慮なしに言うよ 私 もう嫁にいったけど お姉ちゃんと二人姉妹でね お姉ちゃんなんて すごかったんだからー ずけずけ言ってね 男に対しても遠慮なかったんだぁー」
「へぇー 莉子さんとお兄さんは いつからお付き合いされてるんですか?」
「そうだなぁー 小さい頃から遊んだりしてた いわゆる幼馴染カナ 同級生 高校は別だったんだけど 仲間とゴチャゴチャやってたって言ったっぺっ そん時にタクとなるようになってネ だから、私 苺農家の嫁になっから、貰ってくれって迫ったの それ以来ネ 今度は、ミミちゃんの番よ どうして、コウちゃんと?」
「うーん コウには内緒にしてくださいネ こんなことしゃべったって あのね 高校の修学旅行の時 添乗員で来てたコウのこと好きになっちゃってー」その後も、探し求めて、ようやく再会出来たことも話していた。
「私 コウのこと好きなんです」
「ウワァーァ でも コウちゃんのこと好きになってくれてありがとうネ 私の弟なんだっぺ タクは無愛想で勉強もせんとバカだったけど、あの子 勉強もできたし水泳もやってたし、見た目も恰好良いでしょ だから、昔から女の子に人気あったのよ だけど付き合っても直ぐに振られとったんだか、自分から別れとったんんだか・・ダメでね 小さい頃から一緒に遊んでたんだけど、その頃は女の子のお人形さんが好きでね あの子 スーッとしたようなきれいな娘は苦手みたい」
「あっ 私みたいに押しつぶされたようなのが好みなんだ」
「ミミちゃんはそんなことないよ なんか 愛くるしいというか・・ おとなしくて、賢いし・・・ 多分 コウちゃんの理想の女の子の感じなんだよ だから、我儘なとこあるけど、我慢してあげてネ」
「そんな 私には優しいですよ 私も 離れたくない」
「うふふっ ベタぼれみたいネ 安心した ミミちゃん 私の妹になるかもしれんのやぁー」
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