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 私達が待ち合わせで会った時、申し合わせてAラインのワンピースで、お嬢様風をよそおっていたのだ。アカサとはお昼過ぎに待ち合わせていたので、京都に着いて、神泉苑をお昼までに見に行ってきた。アカサとは岡崎公園のグラウンドのところで待ち合わせをしていて、木陰で待っていると、アカサがやってきた。お互い手を振って


「アカサ 元気そうだネ なんだか 少し 太った?」と、岬は遠慮しなかった。


「岬 久しぶりなのに ずいぶんな言い方やんかー 気にしてるのにー」


「ふふっ じゃー 幸せそうネ」


「そう 幸せなの ゆっくり 話 聞いてよネ」


 私達は、歩いてアカサがお勧めの洋食店に向かった。そして、おいしいというオムライスを頼んで、それから哲学の道を歩くつもりだった。途中、お茶をなんかもして、河原町のホテルに。今晩はアカサも泊る予定をしていた。


 一度、チェックインをして、シャワーをしてから、アカサが用意してくれているという宮川町のお店に街並みを歩きながら行ったのだ。古い格子戸を開けて入って、中庭が見える小さな座敷に座っていた。


「アカサ すごいね 京都らしくってー こんなとこ高いんじゃぁないのー」


「そんなにびっくりするほどでもないわよ それなりよー それに、今日はお父様が席を用意してくれたしー」


「お父様?」


「えぇ 彼のお父様」


「ふぅーん もう そんな なんだぁー」


「だって 彼の実家に住まわせてもらってるから・・ お父様」


「まぁ アカサも環境 一気に変わったネ」


「かなー お嫁にきたみたい お母様にもとっても可愛がってもらってるの でも ウチの家には彼のこと言ってないからネ ただの下宿ということにしてる」


 お料理は京野菜の先付から、おぼろ豆腐、アユの焼き物にハモのしゃぶしゃぶに鯛飯と私達にとってはあんまりたべたことのないものばっかりだった。


「ねぇ アカサ 授業 どうだったのよ?」


「学校 行ってないネン オンラインばっかー でも 私 今 彼のお姉さんとお菓子やりだしたからね そっちが忙しくってー」


「電話で言ってたけど 順調そうね」


「ウン SNSとか口コミで うまいこと乗っかってくれたのよ でも、ケーキ屋さんを間借りして作ってんだけど、追いつかなくてネ 今 彼が新しいお店を探しているのよ」


「ふ~ん 進出かぁー」


「そんな 大げさなちゃうけどナ 普通のお土産屋さんやったら 先行き無いやんかー」


「アカサ えらいよね 積極的だものー 彼もいい女みつけたネ」


「それは お互い様って思ってる 私も なんか ビビッときたんだもの」


 そのお店を出た後、鴨川沿いを歩いて木屋町から寺町通を、途中お茶を飲んでホテルに帰った。それぞれがお風呂に入って


「ねぇ アカサ 彼のマンションにも行くんでしょ」と、私が切り出して


「うん 時々ネ だって 彼は実家に来ないんだものー」


「そこで 愛してもらうんだぁー」と、岬も聞き出すように


「会うとネ 抱いてもらってる だって、愛の証やんかー」


「ねぇ 燃えあがる?」


「うふっ たまにね 夢中になってしもてなー自然と自分で腰を振ってしまう時もあるネン」


「わぁー すごいねぇー アカサ そんなふうになってしまうのぉ」と、紗英が顔を覆っていた。


「なによー あなた達の後学のためや思って、話してるんじゃぁないのよー」


「そっ そうだよね アカサ だから、幸せそうなんだ」


「ウン 岬 男って やっぱり、女には必要やでー 頑張ってみーなー」


「わかっているんだけど いざとなるとネ つまらなく見えてしまうんだよね」


「そのうち いい人に会えるって」


 部屋はコンベクションみたいになっていて、ツインのベッドルームに仕切られているので、私と岬は同じところに・・。やっぱり、岬が私のところに潜り込んできて・・お互い手をあそこに添えて、時々、指を動かしながら、吐息とともに寝てしまっていた。


 次の日、アカサは早いうちに出て行ってしまった。私達は、近くのベーカリーのイートインで朝食を取って、アカサが働いているという清水坂のお店に顔を出した。観光客も少なくて数人が歩いているだけだった。


「アカサ 本当に人少ないネ 信じられない 修学旅行の時は並ぶようにして歩いてたのにー」


「うーん まだ 朝ってこともあるんやけど 少ないネン ねぇ 何が良い? 選んで、感想も聞かせてよ」


 お義姉さんという人にご挨拶をして、売り場の奥に二人用のテーブル席が三つ並べられていて、食べられるようになっていたので、私達はそこで、それぞれが選んだものを、と言っても3人で一口ずつシェァしながら食べていた。


「アカサ おいしいよ お漬物も以外とあうネ ねぇ この上にちょこんと乗ってるのって何?」


「あー それ 豆乳クリームと苺で赤くした 可愛いでしょ」


「ウン いい 良い それにさー この席側に女の子の好きそうな小物なんかばっかり並べてさー 食べながら、物色できるんだー」


「それって アカサちゃんの提案なの 評判良いのよ みんな何かしら買っていってくださるのよ」と、お義姉さんが口添えしていた。


 その後、アカサの勧めで京都の街並みが見えるというお店でお昼を食べて京都駅に向かったのだ。アカサは来れないと言っていたのだが、席だけ予約してくれていたのだ。


「ねぇ アカサって もう 収まるとこに収まってるネ もう、大学なんて行く必要無いんじゃない?」と、私は二人に問いかけていた。


「そうねぇー 幸せそうだし・・ 嫁入り先も決まったようなもんだしなぁー あの勝浦の海からあれよあれよだものねぇー」


「でも、そのせいか 彼女 けっこう太ったよ あれは幸せ太りっていうのかしら それに京都の言葉になってきてる」


「そんなの ひがみっぽく聞こえるよ お嬢様としては お下品よねぇー」


 私達は、勝手なことを言い合いながら、それぞれの思いで帰って来たのだ。

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