5-3

 夏休みが近づいた時、隣の駅の紗英が出てくるというので、久々に駅前のカフェで3人で集まっていた。


「ねぇ 夏休み アカサのとこ行ってみない?」と、岬が言い出して


「だってさー コロナで遠方の旅行は自粛じゃん」


「少人数ならいいの違う? 私も、京都 もっと見てみたい アカサも喜ぶだろうしね」と、紗英は賛成している風だった。私は、まだ家の人には言っていないけどコウのとこに行くつもりだったのだけど・・。


「よーし 決まりネ アカサに連絡してみる」と、岬は即決だった。


「ちょ ちょっと待ってよー 私 何にも言ってないよー」


「ミミ 反対なのー?」と、岬が詰め寄ってきて


「違うけどさー 家の人にも相談しなきゃぁー」


「それなら私からもお願いするよっ ミミのママに」


「うーん じゃー 行くのは夏休みになったら直ぐネ」


「もーん なんか予定あるのー?」


「うん まだ 決まってないけど バイト」


「へぇー バイトかぁー どこ行くの?」


「だからー まだ 決まってないんだってーぇ」


「ふーん なんか 怪しいな そのネックレス もらったの? ミミ 眼が泳いでる」と、又、岬が覗き込んできた。私は、家でははずすようにしていたんだけど、外に出る時は、ちゃんと着けてきていた。


「そんなー ねえ 皆はバイトしないの?」


「どこも 不景気で雇ってくれるとこあるかなー」


 その後、アカサに連絡を取ると、午前中は忙しいけど、午後なら時間が取れると言っていた。何だか、土産物屋さんは先行き不安定なので、彼のお姉さんとスイーツの製造を始めたらしかった。小さなスポンヂケーキの上に生クリームとお漬物とか果物をあしらったもので、価格的にも抑えたので好評らしくて、売り上げが伸びているとのことで、今は、順調にいっているとこなので忙しいらしい。でも、とっても会いたいと言っていた。どうやら、学校もオンラインで親しい友達も出来ないらしい。やっぱり、アカサも私達と同じような環境なのだ。

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