1-8

 仮に大学生だとすると、バイトするなら地元の大学に決まっている。それに、お酒を飲めるんだだから、3年か4年だ。あの日焼けは運動部だ。それに、腕が逞しかったので、多分、ラグビーとか野球部かな。


「待ってよ 2年生だって、4月か5月生まれだったら、もう二十歳になってるんじゃーない? それに、運動部だったら、余計よー 打ち上げとか歓迎会とかでね」と、岬が付け足した。


「そうかー 確か、紗英のお兄さんって同じ大学だよね 知ってるか聞いてもらおうかー」


「だよね 知ってるかも」


 私は、早速、紗英に連絡して


「ねえ 私の探している一倉さん 大学生かも知れないんだよー 紗英のお兄さんと一緒のとこ だから、知ってるかどうか聞いてもらえないかなー」


「そうなのー ミミと岬がいろいろと話てたのって、やっぱり、そのことかー わかったー お兄ちゃん、お正月の間もボードに行っていて、今、居ないから帰ってきたら聞いてみるネ」


 私は、年が明けてもモンモンとして過ごしたのだが、紗英から連絡があって


「お兄ちゃん そんな名前居ないだろーって 一ノ瀬とか一棟って奴はいるけど・・って お兄ちゃんサッカーやってるから、2年生で運動部なら大概は知ってるんだけど・・って 3年4年になると全員は知らないってー」


「そう でも・・3年4年なら居るかもしれないんだね」


「そうなるかなー まだ 忘れてないのー あの人のこと」


「ウン 私も しつこいよねー 忘れてくれたほうがいいかもねー」


「ミミって 男の子には縁遠いのかと思ってたけど・・一度火が着くと一途なんだね」


「私もネ 自分でも こんななんだって思ってなかったワ」


 だけど、遠くに灯が見えたような気になっていた。もう一度会いたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る