1-5
7月の末、私達4人は勝浦の駅前でベンチに座って、焼きアジのホットドックをほおばっていた。歩いても30分くらいなんだけど、宿の人が30分も待っていれば迎えに行くからと言ってくれていたので、お昼ご飯のかわりだった。
「ねぇ お嬢様がこんな風 ベンチに座ってー するのかなー」
「そーだねー でも お屋敷を抜け出して、お忍びだったらね」
「うふふっ じゃぁ 侍従の人がそのうち 探しにくるネ」
馬鹿を言い合ってキャーキャー言ってると、宿の人がワゴン車で来てくれた。宿は、海辺なんだけど民宿を建て直したような料理旅館だった。予約の時、外観の写真を見ていたので、期待はしてなかったけど、やっぱりという感じで・・・だけど、私等、そんなに贅沢できなかったので・・・お料理は漁師さんなので豪華ですよとは聞かされていた。
宿に着くと、部屋はまだ掃除が終わってないので、泳ぎに行くんだったら、お風呂場で着替えてくださいと言われて、私達はお風呂場に・・。着替えて出てくると、玄関の隣にある食堂で3人の男の子達がカレーライスを食べていて、その中の一人が私達に声を掛けてきて
「ねぇ ねぇ 君達 泳ぎにいくんだろーぅ 一緒にいこうよー 俺等も、今から行くんだー」
突然だった。私達は顔を見合わせて・・
「なんなのー 慣れ慣れしいわねー どうするー?」
「まぁ 適当にあしらって 行っちゃおー」と、岬が言ったので、手を振ったものの、声を返すこともなく、私達は海岸に向かって行った。宿で浮き輪を二つ借りてきたので、私と岬、アカサと紗英とで海に浮いていると 寄って来たのだ、さっきの3人組。
「ねぇ ねぇ 一緒に泳いで良い? さっき着いたんでシヨ? 俺等 昨日から 千葉からなんだよ 君達は?」
「浦和です」と、紗英が反応してしまった。その時、岬が「うー もうー」と、私に呟くように言ってきていた。
「わぁー 浦和レッズかー ねぇ 幾つ?」すかさず、その人は、冗談でも言って安心させようとしたのか
「高校生」と、又、アカサが答えていた。だけど、岬はどんどん離れて行くように足を動かしていた。だから、私も・・一緒に。そして、アカサと紗英の浮き輪の周りでは3人の男の子達が二人に話し掛けながら泳いでいた。
「大丈夫かなー アカサ達」
「いいんじゃぁない 自分から相手していくんだからー」
「でもさー ナンパやねー」
「まぁ あの子達もバカじゃぁないから 相手見るでしょ」
そして、浜にあがって休んでいる時も3人の男の子達は私達の周りに座って、話掛けてきていた。だから、私も岬も適当に相槌を打って合わせていたんだけれど、アカサは一人の男の子と仲良くなっていた。大学の3年生で自動車部の仲間で来ているんだってとアカサから報告されていた。
宿に帰ったら、直ぐにお風呂に入りなさいと言われて、4人で飛び込んでいった。家族風呂みたいで、そんなに大きくはなかったんだけど、宿泊客の中では最初に入れたので、私達ははしゃいでいた。そして、私の髪の毛を岬が洗ってくれて、最後に「立ちなよー」とシャワーで流してくれている時、背中から抱きついてきて、手は私の胸の膨らみを包み込んで、濡れた髪の毛を分けて首筋にチュッとしてきた。
「あっ なにすんのん 岬」と、私は・・。
「わー 岬ったらっ イヤーらしいっ」アカサがそれを見ていた。
「だって ミミ 可愛いんだものー おっぱいの形良いしーここの毛も柔らかいんだよー」と、私のあそこを下から撫で上げるようにして・・
「あっーぁ」と、私は、しがみこんでしまっていた。なんなの、この感じ・・。
「えーぇ 岬 それじゃぁ 百合だよー」紗英も刺激的な言葉を・・
「そう 私 ミミが可愛いんだー 抱きしめたい 私 男の子には興味ないかもネ」
「やめてよー 岬 ミミはそんな趣味ないよー からかわないでー」と、でも、私も岬のことは好きなんだけれど・・。変なのは嫌だー。確かに、岬は髪の毛もボーイッシュにして、余分なお肉も付いてなくてスタイルも良い。私から見たらクールな美人って感じなんだけどなー。それなりに、男の子から人気あるのにー・・。
そして、夕ご飯の後も、さっきの男3人組と庭で花火をやったり、トランプで遊んだりしたけど、アカサだけが嬉しそうだった。次の日も午前中、泳ぎに行って、私と岬は適当にお付き合いをしていただけで、私達はお昼ご飯を食べて帰途についた。だけど、アカサは仲良く話込んでいた子と、どうもラインを交換していたみたいだった。京都の観光地のお土産屋さんの息子で、卒業したら、地元に帰って家の仕事を盛り上げるって言ってたんだよって、アカサから帰りの電車で聞かされた。あんまり、アカサが楽しそうに話してくるので、その気になっているなと感じていたのだ。
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