第9話

そして10人は、ディズニーに行く。


「ねぇ、ねぇ、せっかくだから頭に何か

付けて廻ろうよ!」


美麗が、言い出した。


「嫌だよ~」


嫌がる、男子達。


「こんな、機会はもう無いんだから!

分かった?」


しぶしぶ、従う男子達。


女子は、定番のミニーマウス等を、選んでいた。

美麗は大村に


「大地は、これがいいよ!」


ドナルドダックの、被り物を勧める。


「俺、似合うかな?」


「付けてみて」


付ける大村。


「大地!似合ってるよ!」


「そうか?」


と、言って付ける大村。

そして、美麗は勇介に


「勇介は、これ!」


「はぁ?何で俺が、ミニーマウスなんだよ!」


「いいから、付けてみて」


付ける勇介。


「勇介、可愛いい~」


「だから、お前は神社で、性格を治す

祈願をしろって、言っただろう!」


「真澄、似合ってるよね?」


吹き出す、真澄。


「う、うん似合ってるよ」


真澄は、笑いを堪えていた。

省二のは優が、洋平のは、あいかが

光司と良太のは、美麗と大村が選んだ。


「さぁ!準備は出来たから、乗り物を

乗りに行こう!」


「うん!」


中を歩くと、すれ違う人が、みんな勇介を

見ている。


「おい!美麗みんなが、俺を見てるぞ!

恥ずかしい!」


「それは、勇介が可愛いいからだよ!

ね?真澄」


「美麗、お前は本当に、どうしようも無いな!大地、こいつの何処が、いいんだよ!」


「えっ?全部だよ!」


「駄目だ!大地は美麗に、洗脳されてる!」


とか、言いながらも、楽しく遊ぶ10人。

写メも、沢山撮って、本当に良い思い出に

なった1日だった。


「1日、あっという間だったね」


「本当、もう帰る時間なんだ」


「寂しいね」


女子が話を、していると勇介が


「おい!洗脳されてる大地!美麗に

プロポーズする時は、あのシンデレラ城の

前でしろよ!」


「何だよ!急に!」


「どうせ、お前達は、結婚するんだろう?」


「まだ、大学が6年も有るんだぞ!」


「するよ!」


と、美麗。

振り向く、大村。

美麗と目が、合う。


「分かった!プロポーズはシンデレラ城の

前でするよ!その時は、みんなを招待する

から、来てくれよ!」


「お~」


「うん」


こうして、高校生活も終わる、後は卒業式

だった。

卒業式、当日


「なぁ?今日は何か、大変そうじゃ無いか?」


勇介が切り出す。


「だろうな!」


と、省二。


「そりゃ、そうでしょう?あの二人が

居るんだから!」


真澄達。


「もみくちゃに、されないかな?心配

だね」


「お~それよ!俺達で、ガードしないとな!」


「そうだね!」


「あ~もう、卒業か~寂しいな」


と、話す8人。

美麗と大村は、謝辞の練習をしていた。

そして、式が始まる。

涙、涙の卒業式に、なった。

そして、卒業生が校庭に出ると、在校生が

アーチを、作っていてくれた。

その中を、通り抜けるのだった。


「大地、美麗!俺達から、離れるなよ!

危ないからな!」


と、男子達。


「私達も、ついてるからね!」


と、女子達。

自覚の無い、二人は何の事だろう?と思い

ながら


「美麗、最後だから、手を繋いで行く?」


「うん!」


と、話をしている。

そして、アーチを、くぐる。


「大村先輩~」


「香月先輩~」


やっぱり、二人の名前ばかりだった。

そんな中を、二人は手を繋いで、手を振って

いた。

アーチを、全員が、くぐり終えると、たちまち、二人は在校生に、囲まれた。

もう、勇介達には、手も届かない状況だった。


「大村先輩、ここに名前を、書いて下さい!」


「香月先輩、ここに名前を、書いて下さい!」


二人は、書いても、書いても終わらない。

でも、笑顔で書いて行く。

そして、一緒に写真迄、撮っていた。

終わるのを、待つみんな。


「あの二人、やっぱり凄いね!」


「あ~本当だよ!医者に、ならずに

芸能人になれば、いいのにな!」


「あの二人は、妙に真面目だから、人の為に

何かしたいんだよ!」


「そうだな!」


そして、やっと戻って来た二人。


「お疲れさん」


「お疲れ様」


「ごめん、待たせて!」


「ごめんね」


「さぁ!帰ろうぜ!」


「うん!」


そして、学校を後にする10人。


「今度、会うのは、成人式だね」


と、美麗。


「そうだね、楽しみにしてる、頑張ってね」


「みんなもね」


「みんな、今迄、俺と美麗を守ってくれて

ありがとう!」


「ありがとう」


「いいよ!これからもだよ!」


と、勇介達。


「そうよ、いいよ」


と、真澄達。

涙が溢れる美麗。


「おっ!鬼の目にも涙か?」


と、勇介。


「あんたは、本当に!大学留年するなよ!」


「あいた!それを言うか?」


みんなが笑う。

そして、別々の道を帰る10人。

美麗と大村は、二人で帰っていた。


「いい、卒業式だったね」


「そうだな」


「大地、私少し心配な事が」


「何?」


「大学行ったら、大地モテるから又いじめに

会うんじゃ無いかって」


「美麗の方こそ、モテるから俺も心配だよ!

でも、美麗は俺が、守るから!」


「うん、私も大地を、守るから、フフフ」


「入学式は、一緒に行こうな!」


「うん!」


そして、入学式

スーツに、身をまとった二人。

二人が一緒に、歩くと振り返って見る人達。

式は別々の席だったので、まだ良かったが

やはり、ざわついてる。

専攻も、大村は外科志望で、美麗は小児科

志望だったが、受ける授業は一緒だった。

何時も、一緒の二人は大学では、たちまち

有名人に、なってしまった。

やはり、告白される二人だが、その都度

丁重に断り、続けていた。

そうして、もうすぐ成人式だった。

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