第3話
翌朝、美麗の家に全員集合していた。
美麗の母が
「おはようございます、すみませんね~」
と、お礼を言うと
「おはようございます、これ位、たいした
事じゃ無いですよ」
大村が挨拶をする。
勇介は
「おばさん、美麗は足じゃ無くて、口を
怪我したら良かったのにね?」
と、言っている。
美麗の母も
「そうね、それは言えるわね」
そんな事を、言っていると
「勇介!お母さん迄、本当に~」
美麗が怒って、出て来た。
でも、みんなは笑っている。
「さぁ、ヒョコタン行くよ!はい」
と、かがむ大村。
荷物は勇介と、真澄達が持ってくれた。
(く~早く本当に、治れ私の足。)
学校に着いた。
「もう、いいよ!サイボーグA」
「教室迄、行くよ」
先輩達も、同級生もベランダから、見ている。
(うわ~見てるよ!)
「真澄、優、あいか、みんなが見てるよ!」
「本当だね!」
「気にするな!」
と、大村。
「お前、いじめられるぞ~」
と、勇介。
「勇介、笑え無い冗談は、言うな!」
そして、教室に着くと
「はい」
と、降ろしてくれる大村。
「ありがとう」
「い~え」
「お~大地、何してんだよ!」
省二、洋平、光司、良太が、やって来た。
「香月さんが、捻挫したから、おぶって
来たんだよ!」
「やるね~色男は!」
「うるさい、早く自分の席に行けよ!」
休憩の時間は、昨日言った様に、大村達が
側に居てくれた。
夕方、部活の時間
「美麗、じゃあ行くね」
「うん」
(あ~部活したいよ、最悪だよ!)
そう思っていると、先輩達がやって来た。
「香月さん、ちょっと」
(来た~)
「はい」
連れて行かれる、美麗を勇介が見ていた。
慌てて大村に、その事を言いに行く。
走って美麗を、探す大村。
その時には、美麗はもう、先輩達に水を
掛けられて、ビショ濡れだった。
「香月!」
慌てる大村。
「大丈夫か?ごめん、俺が、ちょっと目を
離したから!」
そして去って行く、先輩達に
「今度こんな事をしたら、俺が先輩達に
同じ事をするから、覚悟しとけよ!」
一喝した。
先輩達は、走って逃げて行った。
「どうしよう?ビショ濡れだな、体操服は
持ってる?」
「うん」
「じゃあ、それに着替えて、包帯は保健室で
替えて貰おう」
そう言って、自分のスポーツタオルを美麗の
頭に乗せて、ポンポンとした。
美麗は、ホッとして思わず、泣いてしまった。
「おい、香月、大丈夫か?ごめん、全部
俺のせいだな」
「ううん、ありがとう」
そして又、保健室迄おぶって行ってくれた。
「サイボーグA、部活の時間だろう?行って
勇介も」
「香月、包帯を替えて貰ったら、グラウンド
の近くに居ろよ!俺が見える所に」
「うん」
そして、グラウンドで今日も、サッカーを
見ていた。
部活が終わると
「勇介、交代で荷物を、取って来よう!
そして吉田さん達にも、話しよう!」
「うん」
教室に上がる大村。
そして、美麗の荷物を持って、降りて来る
大村。
「勇介、代わるから、着替えて荷物を取って
来いよ」
「お~」
そして、みんなで又、帰る。
そんな、毎日が1週間も、すると美麗の足も
歩ける位に、回復した。
「おはよう」
みんなが迎えに来た。
「おはよう」
と、美麗。
「もう、私は歩けるよ」
「お~さすが、ヒョコタン」
と、大村。
「やっぱり、美麗は不死身の女だな!」
と、勇介。
「サイボーグAと勇介、もう足は治ったん
だから許さないからな!覚悟しとけよ!」
「お~怖い、やっぱり美麗は、怪我してる位が丁度、いいや」
「勇介、お前は本当に、ぶっ殺すぞ!」
笑う大村と、真澄達。
「でも、美麗良かったね」
と、真澄達。
「うん、後もう少しで、バレーも出来るよ!」
「ハハハ、ヒョコタンは本当に、バレーが
好きなんだな!」
「もちろんだよ!サイボーグAだって
サッカー好きだろ?」
「まぁね、でも、おんぶ出来なくなると
寂しいな」
「サイボーグA、いや、大村あんた変態?」
「いや、筋トレに丁度、良かったんだよ!」
「あんたね~私を、筋トレの道具にしてたん
かい!勇介といい、あんたといい、私を
何だと思ってんだよ!」
「キレイな、キレイなヒョコタンだよ!
なぁ?勇介!」
「あっ、あ~」
「何だよ!その嫌そうな、言い方は!」
キレる美麗。
真澄達は、言葉を失っている。
「そんなに、おんぶしたかったら、するか?」
「いいの?」
「いいよ」
「はい」
と、かがむ大村に、飛び乗る美麗。
「大村、走れ~」
「無理だよ!」
「走れ~」
「あの二人、どうなってるんだろうね?」
と、真澄達。
「美麗は、男なんだよ、大村を同類と
思ってるんだよ」
勇介が、言うと
「それは、言えるね、私達には無理だわ」
「何時まで、続くのやら」
呆れる勇介。
学校に、先に着いた、美麗と大村。
「ゼーハー、ゼーハー、キッツー」
「これ位、何を言ってんだよ!筋トレが
出来ただろう?」
余裕の美麗。
「なぁ、ヒョコタンは、ひょっとしたら
ドS?」
「はぁ?私は普通だよ!」
「いや、分かって無いだけだと思うよ!」
「大村、あんたは勇介と、一緒だよ!」
「勇介と?」
「そう!私の事を、直ぐに、けなす所が
そっくりだよ!」
「そうかな?けなして無いけどな?」
「大村、あんたも自分の事を、分かって
無いんだよ!」
そう言い合って、いると勇介と真澄達が
やっと学校迄やって来た。
「美麗、お前は何を、言い合ってるんだよ。」
「だって、大村が私の事を、ドSって言うから、あんたも勇介と、一緒だって言ったんだよ!」
「大地の言う事は、美麗、合ってるぞ!」
「勇介~」
走って逃げる、勇介。
「おい、勇介!待てよ」
追いかける大村。
真澄達が美麗に
「美麗、よく大村君に、あんな事を言えるね?」
「え?どうして?」
「だって、あのイケメンに対して!」
「真澄達が、美化し過ぎなんだよ!」
(やっぱり、美麗には何を言っても、無理
だわ)
諦める真澄、優、あいか、だった。
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