第2話
翌日、ヒョコタン、ヒョコタンと歩いて
登校する美麗。
真澄達が、同じ速度で歩いてくれる。
「大変だね、美麗」
「当分かかるね」
「うん」
テンションの低い美麗。
「おっ!おはよう、サイボーグB大変そう
だな、教室迄おぶってやるよ!」
「いいよ!丸見えだろ、みんなから!」
「見えても、いいじゃん、怪我してるのに
ごめん、誰か俺のカバン持って」
「ハイ」
「ハイ」
「ハイ」
乗り気の3人。
「はい、どうぞ、サイボーグBさん」
と、かがむ大村。
恥ずかしいけど、痛いので、おぶって貰う
美麗。
先輩達もベランダから、見ている。
(私は絶対に、いじめに合うよ!)
教室に着くと
「はい、着いたよ」
「あっ、ありがとう、サイボーグA」
「どういたしまして」
勇介が、やって来る。
「美麗、お前は何をしてんだよ!」
「勇介、階段から落ちたんだよ!もっと
いたわれ!」
「お前、足じゃなくて、口を打てば良かった
のにな!」
「勇介、捻挫が治ったら、ぶっ殺す!」
「その口が悪いんだよ!美麗は!」
「ほっとけ!」
部活の出来ない美麗は、テンションが低く
機嫌が悪かった。
授業中も先生が
「次、香月さん読んで下さい」
「足が痛いので、無理です!」
こんな調子だった。
夕方みんなが部活に行く。
「美麗、行ってくるね」
「ほ~い」
(あ~寂しい)
「サイボーグB部活、出来ないんだから
たまには、サッカーでも見たら?違う
スポーツも面白いぞ」
と、大村が言って来た。
「いい」
「テンション低いな~元気出せよ!治るん
だから、さぁ見に行くぞ!はい」
と、かがむ大村。
「あのね~サイボーグA、あんたね同級生も
そうだけど先輩達にも、モテるんだから
あんたに、おんぶされたら私は、いじめに
会うから嫌だ!」
「何で俺が、モテるんだよ?」
「自覚が無いだけだよ!だから嫌だ!自分で
行く」
そう言って美麗は、ヒョコタン、ヒョコタン
歩く。
「ププッ」
「何よ!」
「いや、本当にロボットみたいだなって
思って」
「あんたも勇介も、私の足が治ったら
覚えとけよ!」
「えっ!どうするつもり?」
「2人共ぶっ殺す!」
「サイボーグB、綺麗な顔して凄い事を
言うな!」
「え?何時もだよ!勇介に聞いてごらん」
「へ~そうなんだ、イメージが」
「どんな、イメージを抱いてたんだ?」
「おしとやかな」
「は~無理、無理、程遠いよ勇介には
男前って言われてるのに」
「ハハハ、そうなんだ!じゃあ俺達と
遊ぶ方が楽しいんじゃ無い?」
「そうかもね、でも真澄達は私の性格を
知ってるから大丈夫、楽しいよ、さぁ
早く練習に行きなさいよ、私は見てるから」
「おう、じゃあ行ってくるわ」
「あいよ」
「ハハハ」
と、走ってグラウンドに、行く大村。
(おっ?やっぱり大村は、上手いな!
勇介は、ボチボチだなぁ)
そう思いながら、練習を見る美麗。
(でも、大村が言った様に、どのスポーツも
楽しそうだな~早く治れ、私の足よ)
そして、サッカー部の練習が終わった。
勇介が、やって来た。
「美麗、珍しい見てたのか?」
「あ~サイボーグAが、たまには他の
スポーツも見ろって言うから、勇介の
下手くそ!」
「うるさい!あれでも俺は、一生懸命に
やってるんだよ!運動神経の良い美麗や
大地には分からないんだよ!」
「ふ~ん」
「本当に、その口を、どうにかしたいよ!」
「ハハハ」
と、笑ってる大村。
「大地、何が可笑しいんだよ!お前迄」
「いや、二人の、やり取りが面白くて
すまん、すまん」
と、大村。
「美麗、帰りはどうするんだよ?」
と、勇介。
「あ~帰りは真澄達と、帰るわ」
「その、ロボット歩きで?」
と、大村。
「サイボーグA、本当に!」
と、美麗は中指を立てる。
「なぁ、お前達何?そのサイボーグAとかB
とかって?」
「私が大村に、サイボーグって言ったら
大村が私もサイボーグだって言い出して
AとBになったんだよ!本当に!」
始めに言い出した、美麗が怒っている。
「まぁ、俺からしたら二人は、サイボーグ
だな!合ってるぞ!美麗」
「うるさい!黙れ!」
「大地、何時もあ~だぜ、あの口を何とか
って思うだろう?」
「いや、気取らなくて、いいんじゃない?」
「ほ~ら勇介は、ぶりっこが大好きだけど
そうじゃ無い人も、居るんだよ!勇介く~ん
て言われたら、もう駄目だもんね?」
「美麗、お前が言うな!気持ち悪くなって
来た!」
「なんだよ!失礼な!」
「あっ、そうだ、サイボーグB上迄上がるの
大変だから、ここに居ろよ、カバン持って
来てやるから、吉田さん達には、下に居る
って、言っといてあげるよ」
「お?優しいじゃん、ありがとう大村」
「おやすいごようで」
大村と勇介は、教室に上がって行った。
そして真澄を、見付けた大村が
「吉田さん、香月さんは下で待ってるから」
「あっ、はい、ありがとう」
(キャ~大村君に、話かけられた)
「美麗、お待たせ~さっき大村君に、声
掛けられちゃった、香月さん下で待って
るって」
「それは、伝言だよ!」
「それでも、いいの幸せ」
「さぁ、帰ろうよ」
「荷物は私達が、持ってあげるから」
「ごめん、ありがとう」
校門の所に、行くと大村と勇介がいた。
「何してるの?あんた達」
美麗が言うと
「大地が、お前を送って帰るって、聞かない
んだよ!」
「はい、ヒョコタン」
そう言って、かがむ大村。
「まさか又、おんぶする気?」
「そうしないと、怪我が長引くよ!バレー
出来ないぞ」
「うっ!それを言うか?それに何よ、その
ヒョコタンて?」
「いや~歩く姿が、ヒョコタン、ヒョコタン
て歩くから」
「サイボーグA、もう少し女の子らしいのは
無いの?」
「美麗、お前に女の子らしいの何か
有るかよ!」
美麗は中指を、立てて
「勇介!」
と睨む。
目をそらす勇介。
「はい、ヒョコタン、みんなが待ってるぞ」
「うん」
おんぶして貰う、美麗。
もう真澄達は、羨ましくて、しょうがない。
「はい、着いたよ、ヒョコタン」
「ありがとう。」
「明日の朝も、来るよ、近いから」
「いいよ」
「何で?」
「だから、サイボーグAは、モテるから
みんなに見られたら、私は絶対に
いじめに合うよ!」
「そうなの?」
「うん、うん」
と、真澄達。
「分かった?」
「でも、そんなの関係無いよ、怪我してる
のに」
「嫌だよ!いじめなんて、女子は陰湿
なんだから、ね?」
「そうだよ!気を付けないと!」
「じゃあ俺が、ずっと側に居れば、いいんじゃない?そしたら何もしないし、出来ない
だろう?」
「そうかな?」
「う~ん」
悩む真澄達。
でも大村は、迎えに来る気、満々だった。
他の女子の様に、態度を変えたりしない
サバサバした、美麗の性格が好きだった。
口の悪さも、大村にとっては面白かった。
「おい、大地、本気かよ!」
「あ~だから、勇介も朝ヒョコタンの家に
集合な、荷物が有るから」
「じゃあ、私達も来ます」
「お~ありがて~みんなで行こうぜ」
美麗を置いて、盛り上がっている。
「じゃあ明日」
「美麗、明日ね~」
みんな帰って行った。
「ただいま」
「おかえり、足はどう?」
「同級生が、おんぶして帰って来てくれた」
「まぁ、お礼を…」
「もう帰ったよ、明日の朝も、みんなが
迎えに来るんだって」
「優しい子達ね~」
「優しいんだけど、その子、学校で1番
モテるんだよ!私は絶対にいじめに合うよ」
「まぁ~それは困ったわね、でも美麗は
強いから、大丈夫でしょう?」
呑気な、美麗の母だった。
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