どんな時でも僕が君を守るから、どんな時でも私が貴方を守るから。

aki

第1話

高校1年の秀才で、スポーツ万能そして

イケメン、こんな人間が居るんだ世の中には

彼の名は、大村大地、何1つ欠点が無い。

同学年だけではなく、先輩達からも人気が

有った。

同級生の、香月美麗は、カッコいいとは

思うが、さほど気にならなかった。

美麗は友達と遊ぶのとバレーボールが

大好きだったので、部活が楽しくてしょうが

なかった。

同じ部活には、吉田真澄、武田優、真島

あいかが、いた。

何時も、くっついて、じゃれあっていた。

この3人は、大村大地のファンだった。


「同級生なのに、ファンておかしくない?」

と美麗が聞くと


「彼女なんて、絶対に無理だからファンで

いいんだよ!」


「あっそう!」


大村はサッカー部に、入っていた。

放課後の練習の時は、沢山の女子が

見学していた。

美麗は、それを見る度に


(自分達も何か、部活をすればいいのに

こんなに楽しいのに)


と思っていた。

大村は何時も、同じサッカー部の山下省二

長山洋平、三原光司、金田勇介、近本良太

と、つるんでいた。

美麗は勇介と、幼なじみで仲が良かった。

美麗は、女版の大村大地だった。

秀才で、スポーツ万能、整った顔立ち

スタイル抜群だったが、性格がサバサバして

いて男前だった。

男子は、今も昔も、ぶりっこに弱い。

美麗は、そんな、ぶりっこが大嫌いで見て

いると、イライラした。


「え~勇介く~ん、これ重いのに~」


(伸ばさなきゃ、喋れ無いのかっつうの)


そう言われて、荷物を持つ勇介。

それが終わると、美麗が


「勇介ちょっと来い!」


「どうした?美麗?」


「あんたね、あんな、かったるい声で

言われて、ホイホイ荷物なんか持つんじゃ

無いよ!鼻の下伸ばして、みっとも無い!」


「美麗も、あれ位してみろよ、可愛いぞ」


「うっ、戻しそう、考えただけで気持ちが

悪いから言うな!」


「美麗、お前は綺麗なのに、もったいないぞ」


「何が!」


「もう少し女らしくしたら、モテルのにな

と思って」


「モテ無くて、いいんだよ別に!」


「そうか、変わんないな、お前は」


「変わりませんよ!この先も!」


ある日、先生に頼まれて資料を、教室に

持って行く美麗。

そこで、大村とぶつかった。


「あっ!」


「あっ!ごめん香月さん、大丈夫?」


と言って、資料を拾い集める大村。


「何処を見て、歩いてんだよ!」


と美麗。


「ごめん、何処も怪我して無い?」


「して無いよ」


「はい、これ」


と集めた資料を、美麗に渡す大村。


「あっ、ありがとう」


「じゃあ」


(大村、性格もいいんだな?まぁ、どうでも

いいか)


「美麗、見てたよ」


真澄、優、あいかの3人。


「見てたんなら、手伝えよ!」


「大村君、優しいね」


「そっちかい、私は!」


「本当あの顔に、あの優しさ」


「ミスターパーフェクトだね」


「ハイ、ハイ」


4人は教室に入る。

授業中みんなが、あんまり言うので大村を

見る美麗。


(外を見てるじゃん)


「はい、次、大村答えて」


(外を見てたからな?先生に当てられたな)


大村は、スラスラと答えた。


(大村あんたは、サイボーグかよ!)


やっと授業が終わり、ホームルームが

終わると美麗の、待ちに待った部活の

時間だった。


「行くよ!」


「待って、美麗~体育館は逃げないよ!」


そんな言葉は無視して、体育館に向かう

美麗。

毎日の恒例に、なっていた。

そんな、ある日美麗は階段を、踏み外し

落ちてしまう。


「みれ~い!」


「大丈夫?」


転げ落ちた、美麗が顔を上げると大村が

立っていた。


「香月さん大丈夫?」


「あっ!サイボーグ、多分、大丈夫だと

思う」


立とうとする美麗。

すると


「あっ、痛っ!」


足が痛くて、立てなかった。


「香月さん、ハイ」


と、かがむ大村。


「いいよ、恥ずかしい」


「その足じゃ無理だよ、保健室迄おぶって

行くよ、ハイ」


美麗は仕方なく、おぶって貰う。


「サイボーグ、重く無い?」


「重く無いよ、でも何?その、サイボーグ

って俺の事?」


「うん」


「うんて、どうして?」


「だって何でも、出来るじゃん、授業中に

外見てて先生に、当てられても、スラスラ

答えるし、あれは人間離れしてるから

サイボーグ」


「ハハハ、そりゃ~いいな、でも、それなら

香月さんも一緒じゃん」


「私?」


「うん、香月さんも何でも出来るし、じゃあ

俺がサイボーグAで香月さんがBだな!」


「なんじゃそれ!」


「いいじゃん、面白いよ」


「面白くない!」


「さっ、着いたよ、先生ちょっと見て下さい!」


「どうしたの?」


「香月さん、階段から落ちて、足を怪我

したみたいなんで」


「あら~ちょっと見せて、う~ん腫れて

無いから、捻挫だね当分は、足使え無いからね」


「え~嫌だ!」


「この足で、無理でしょう?」


「部活がしたいよ!」


「ハイ、治ったらね」


「あ~~」


「サイボーグB無理言わないで、我慢

しろよ!」


「あ~~~」


そこに真澄達が来た。


「美麗、大丈夫?」


「捻挫だって!部活が出来ない!最悪」


「美麗、文句を言う前に、先に大村君に

お礼を言わないと!」


「あっ、ごめん、サイボーグAありがとう」


「どういたしまして、サイボーグBさん

ハハハ」


大村は出て行った。


「美麗、何今の?」


「サイボーグAとかBとか」


「どうなってるの?」


「あ~私が大村に、サイボーグってあだ名

付けたら反対に、付けられてAとBになった

だけだよ」


「え~いいな~」


「良く無い!こっちは足怪我してんだよ!

明日から、どうすんだよ!」


「いいな~」


「だから良く無いんだよ、人の話を聞け!」


「いいな~」


(駄目だ、こいつらは!)


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