第13話

放課後になり、バイトに向かう途中の隼人を呼び止めた。

「どうした?」

「少し時間ある?」

「バイト行くまでなら時間あるぞ」

隼人は子供向けの音楽教室でドラムを教えるバイトをしている。

「あのさ……」

罪悪感と緊張で言葉が出て来なかった。

バンドの解散は俺と瞬で決めてしまって、隼人には何も相談してなかった。

俺は隼人の事が好きだ。

だからこそ、何も言わずに勝手に解散した事を謝りたかった。

「良いよ」

そう言って、隼人は優しく微笑んだ。

「まだ何も言ってなけど」

「大事な事なんだろ?」

「確かに大事な事だけど!」

「なら、聞く必要ない」

隼人には敵わないなと思った。


それから、俺は隼に今までの経緯を話した。

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