第11話
久しぶりに奏から連絡が来ていた。
新しくバンドを結成してライブをするから来て欲しいとの事だった。
「あれ、隼人は居ないの?」
「瞬と俺だけだよ」
「バンドの方はどうなの?」
俺は、奏にバンドを新しく始めた事を伝えていた。
「俺は阿久戸と一緒に始めてメンバー募集中」
瞬が困った表情をしていた。
「今……音楽はしてない」
「瞬のベース好きだったからまた聞かせてよ」
瞬は黙ってしまった。
「今日は楽しんで!」
奏は楽屋の方に戻って行った。
ライブが始まった。
色々なバンドが演奏して、奏達のバンドの出番が回って来た。
奏のバンドは謂わゆるガールズバンドだった。
メンバー全員が上手いが特に奏とドラマーの子が上手く感じた。
演奏が終わると大きな拍手が起こった。
「皆さんこんにちは!今日は来てくださってありがとうございます!」
そう言って、演奏を始めた。
演奏は2曲続けてやった後、MCで色々と話し始めた。
「私達の曲を聴いてくれて本当に嬉しいです!」
「実は最近ようやくドラマーが見つかってバンドが動き出せました」
「私達の曲で良かったら、是非次も聴きに来てください」
演奏が始まると、俺は驚いた。
俺が昔見たあの時と同じ感動が蘇ってきた。
思わず涙が出そうになった。
そして、最後の曲が終わり、観客からはアンコールの声が上がった。
「今日は本当に楽しかったよ」
「俺もまた来たい」
奏はとても嬉しそうだった。
「次はもっと盛り上げるから!」
「期待して待ってるよ」
それから、俺達はライブハウスを出て駅へ向かった。
瞬は帰り道で呟いた。
「熱くなった」
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