第4話ギター
今日はアクトの初めての練習で、メンバー全員スタジオに呼ばれていた。
「奏は?」
スタジオに入ると隼人と瞬の二人しか居なかった。
「まだ、来てない」
ギターをチューニングしていると、スタジオの扉が開いた。
「ごめん、ごめん遅れた」
遅れて来た事よりも、皆肩に背負っているギターケースの方が気になった。
「奏ギター弾くのか?」
「弾くよ、弾けるの知ってるでしょ」
「それは、知ってるけど……」
「ギター持って無かっただろ?」
「うん、だから返して貰った」
奏のギターは全員が一年前には毎日の用に見ていたギターだった。
「阿久戸のギター」
「そう、元々私のギターだったんだし、返して貰っても怒られない筈」
和田阿久戸、俺らのグループのボーカル。
アクトは元々、和田阿久戸が小学生の時結成したバンドだ。
阿久戸、瞬、隼人、俺は幼稚園の頃からの付き合いで、阿久戸のお父さんが音楽関係の仕事で貰ったチケットで見に行ったライブの後に阿久戸に無理矢理組まさせたバンドだ。
バンド名のアクトも阿久戸が目立ちたいからと言う理由で決まった。
「阿久戸のお父さん良くギター渡してくれたな?」
「バンド組んで武道館行くので返して下さいって言ったら渡してくれたよ」
奏のギターを演奏している姿は、久しぶりに見たが全く違和感が無かった。
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