第3話アクト

帰宅してから、バンドの名前を考えたが――中々良い名前が思い付かない。

 本当は一つだけ思い付いてはいるが……メンバーの反応が怖くて言い出せそうにない。

 

 色々考えているうちに、次の日になってしまった。

 結局メンバーが集まっても良い案は思い付かなかった。

 

 「みんなまた集まってくれてありがとう、考えてきた名前を発表してもらいます」


 誰も意見を言いそうになかったので、俺は昨日から悩んでいた意見を言う事にした。

 

 「バンドの名前は……アクトが良い!」

 

 一瞬静まり返ったが。


 「俺も同じ事思ってた」

 

 「俺もだ」

 

 瞬も隼人も同じ事を思っていたみたいだ。

 

 「奏はどう思う?」

 

 「私も同じに決まってるよ」

 

 良かった……メンバー全員同じ事を思っていて。

 

 「他の名前になりそうだったら、無理矢理にでもバンド名アクトにしてたと思う」

 

 「なら、なんでバンド名募集したんだよ?」

 

 「一応みんなの意見も聞こうと思って」


 奏は茶化していたが、とても嬉しそうだった。

 

 「これで、アクト本格的に再始動だな」

 

 「うん」

 

 「また伝説作ろうぜ、前回を塗り替えちまうような」

 

 「隼人アホな伝説は作るなよ」

 

 「作らねぇよ」


  奏、隼人、瞬、みんなと笑いながらバンドができるようになって良かった。

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