第2話
その場から動けないでいると後ろから声が聞こえた
ここにいない方がいい
後ろを振り返ると黒いフードを被った女の人が立っていた
俺は殺されると思った
その瞬間意識が遠のいた
変な夢を見た この世界に来てから一度も見たことのない夢
最近ではそのことさえ忘れかけていた前世での記憶
俺のことを憐れみの目で見る親戚友達
嫌な夢だ
目が覚めた どのくらい時間がたっただろうか やけに頭と体はスッキリしていた
まだ生きてるのか
家なの、、かな
誰かの家のベッドのようだった
ベッドから起きあがろうとしたら女の人の声がした
やっと起きたのね 君3日は寝てたんだよ
俺は警戒した
ここどこなんですか あなたは?
女の人は笑いながら
わたしが声をかけたら2人とも気絶したんだもんびっくりした
2人とも...
カイト!?
カイトはどこですか?
俺は一瞬頭が真っ白になったがすぐにカイトの事が浮かんだ
カイトくんは今食事を取ってるわ
ここに来てすぐに目を覚ましていろいろ話しを聞いたの
大変だったね今呼んでくるからちょっと待ってて
女の人は落ち着いた様子で部屋を出ていった
その少しあとにカイトが部屋に入ってきて俺がいるベッドの横にある椅子に座った
お前ずいぶん寝てたな もう目が覚めないかと思って心配したんだぞ
カイト!ここはどこなんだ?
ここはキングスレイトだ
目が覚めてからの情報量が多すぎて頭の整理がつかない
キングスレイト?何言ってんだよ
キングスレイトは王宮騎士団に倒されたじゃないか
俺もそう思っていた
ここはどこなんだよ
正確にいうとスラム街キングスレイトだ
スラム街?
俺たちの共通認識ではスラムに名前などない
貧しい人や犯罪を犯したものなどが流れ着く掃き溜めのような場所のはずだ
カイトわけわかんねえよ 順を追って話してほしい
わかった
カイトはさっきまでの柔らかい感じから一気に緊迫感を帯びた表情に変わった
まず俺たちが認識していたスラムってのはそもそも間違いでスラムというのは統一国家だったんだ3つの王国が集まって一つの独立国家になっていた
俺たちのいた王国はそれぞれ一つ一つが国みたいなもんで手は組んでいるものの基本お互いに干渉しないような感じかな
スラムももともとその一つ一つの王国だったんだが世界会議で一度王国を全てまとめ上げて一個のデカい国にしようって動きがあったみたいだ
そこで乗ってきたのが3つの王国だけで他の王国はそれに反対した
反対するどころか統一国家となったキングスレイトを潰そうって動きになったらしい
それが100年も前の話
100年、、、?
それから100年戦争は続いてるの
扉の方から女の人の声がした
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