冒険者ギルド
10歳になったのでできるようになったことが一つある。
転生者としてしなくては絶対にしなくてはならないことがある。
というわけで
「ミリア、冒険者ギルドにいこう」
*
あの後意味が分からないといった顔をしているミリアに対して慌てて視察という理由をつけて冒険者ギルドに行くことを承諾させた。
別に視察というのは後付けではない。決して
そんなこんなでついた冒険者ギルドだがここで問題が起きた。
その原因は年齢だ。
冒険者は冒険者登録が可能となる10歳からなることが一般的で、この世界にきてから俺が読んだ
しかしそれはあくまで俺が生まれる前までの話。
「坊主、さすがに冒険者はまだ早い。登録は12歳まで、本格的に活動するのは15歳まで待てよ。もしかして毒親にやらされてるのか?ならここに連れてこい俺が一発ぶんなぐってやる。」
これがさも新人いびりをしてそうな見た目の冒険者Aの話だ。
「いや英雄譚に憧れたんだろ?なら10歳から登録させてやれよ。まぁ本格的に活動するのは15歳からだ。それになんだ俺が暇なら一緒に魔物を討伐しに行ってやるよ。大人が一緒なら安心だろ?」
これが新人いびりをしてそうな冒険者の仲間のような見た目をした冒険Bの話である。
普通の領土では10歳から働くのは当たり前だ。
しかし、ここイースル領だけはここ4年間のうちに何者かの手によって12歳までは学校、そこから3年間は誰かの下につくなどして修業し専門的な技術を身に着ける、一般的に成人となる15歳になったら本格的に仕事をするというのが一般常識になってしまった。
これは常識改編の力に違いないおのれ~許さん。
絶対に転生者の仕業に違いない。うん。許さん。
まぁ全部俺のせいなんだが。
それにしても同情からなのか生暖かい目で見られているのは結構心に来る。特に10歳で冒険者ギルドに登録しようとした理由が
ちなみにミリアは外で待ってもらっている。
別に新人いびりをされるのに一緒にいたら一発で貴族だとばれてしまうようなメイドが邪魔だったわけではないのだ。
ただ理由も聞かないで外で待ってくれたミリアは非常に優秀だと断言できよう。特に何の言い訳も考えていなかったからな。とても助かった。
「あの~冒険者登録をしたいのですが。」
なんやかんやと言ってもしょうがない。この気まずい空間から一刻も早く抜け出すためにもできるだけ早く受付嬢に話しかけた。
「分かりました。」
*
この後何とか登録を終えた。
ちなみに登録名はヒースのみだ。
貴族だとばらしたら視察の意味ないしね。
貴族なのに身分を偽ろうなんて思って無いんじゃないのかって?
残念。
それは嘘だ。
自分の中ではもう無かったことになっている。
そんなこんなで俺は一応ゴブリンを倒しその右耳を持ってきたら賞金が出ることを確認して冒険者ギルドを出た。
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