冒険者ギルドと銃

10歳

 俺が内政を任されてから約4年がたった。


 ちなみに半年後には妹ができた。どうやら財政状態があまりにも悪く子供が出来たら負担になるみたいな小市民みたいな理由で子供を作っていなかったらしいのだが。それは貴族としていいのかよ...


 家族のだけでなく経済も順調だ。


 有線電信の通信網は1年間で完成した。現在は領内の複数都市をつないでおりカブ商会は物価情報を扱う新聞を発行し荒稼ぎしていた。もはや領内では新聞を買っていないと商会とは名乗れないような雰囲気となっている。


 有線電信に関する工事が終わった後も元奴隷たちの職場はしっかりと確保されていた。


 市場に金が流れ裕福になった町人たちが次に求めるのは娯楽だ。


 有線電信の通信網の時に行った現代社会では株式会社と呼ばれる方法が浸透したようで娯楽や服飾、飲食関係の産業で何かいいアイディア(俺も将棋やオセロなど自分がやりたいゲームのアイディアをだした。)が出てくると必ずと言っていいほどこの方法で新しい商会が作られている。

 

 ちなみにこの方法、カブ商会の名前からこっちの世界でもカブ式と呼ばれているらしく最初に聞いたときは思わず吹き出してしまった。


 そんな感じで大量に新しい商会が出来たため大量の求人がなされたというわけである。


 当然、発展は商業分野だけにとどまらない。


 まず農業についてだがミリアと前世の肥料、器具などを再現した。


 これが効果的だったのか小麦の生産量は格段に向上した。しかしその結果として小麦の価格の下落が止まらなかった。現在はわが家が非常用の備蓄として買い取っているが商用野菜などに1部を転換するなどの方法をとらないとこのままではまずい。


 教育は全体の収入が増えたことによってか、領民も積極的だった。6歳から12歳までが学ぶ小学校のような機関を作った。最初は全員無料にしようかと考えていたが、殆どの市民が通わせたいようだったので孤児、親が貧困で有るなどの特殊な場合を除いて教育費を無料にしては無い。


 一部通わせない親もいたが、そういった場合は親が教えている事や家庭教師を雇っている事が殆どだ。


 また小学校での内容以上の事を学ぶ学校として高等学校と中学校にあたるような学校を作ろう思っていたがこれに関してはカブ商会に先を越されてしまった。

 

 どうやら電信関連の人材が足りずそれのための専門学校を作るようなのである。


 その学校では電信関連の内容だけでは無くカブ商会は新聞などを売っていることもあり、将来的に新聞で取り扱う範囲を広げたいのかさまざまな事が学べるようになるそうだ。


 医療の分野は教会が回復魔法などの医療関連の技術を秘匿していることもありなかなか進んでいない。

 

 しかし、青カビから抗生剤が作れることは分かっているので、今は抗生剤の調合を終えてそれの治験中である。

 

 異世界では前世で効果があった薬品も逆効果になっている可能性もある為慎重に進めている。


 自分自身も内政を進める間に魔法の特訓、剣術の稽古なども続けた。

 

 そんなこんなで領地共に成長し遂に10歳となった。

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