奴隷解放会議②
「それではこれから鉱山関係者の方への説明を開始します。鉱山関係者には新しい採掘方法を試してもらおうと思います。」
「新しい採掘方法?」
「ミリア持ってきて。これはダイナマイトと呼ばれる今回、僕が採掘用に開発したものです。」
ミリアに「ダイナマイト」を持ってこさせる。
「それでそのダイナマイトはどうやって使うんだ?」
「これは魔力を流すと爆発します。といっても起爆には中級攻撃魔法程度の魔力が必要なのでご安心を。」
「でもそんなのどうやって使うんだ?」
「それは簡単です。鉱山にこれを設置し少し離れたところから中級級攻撃魔法を打ち込み起爆することによって爆発を利用して採掘します。この方法で従来の奴隷に無理やりやらせる方法よりも安い人件費、高い効率的での採掘を可能にしました。詳しくはこの書類を見てください。」
書類を見ながらを鉱山関係者は納得したような顔をしている。どうやら上手くいったようだ。今回用意した「ダイナマイト」は本当のダイナマイトとは別物だ。さすがに異世界で
この爆発液はニトログリセリンとは異なり少しの衝撃、少しの火に引火して爆発することはないが代わりに魔力に反応して爆発するものでその扱いずらさと危険性からごみ同然にあつかわれていたものだ。
そこで本家ダイナマイトと同様に珪藻土にこれを染み込ませると見事に起爆に必要な魔力を中級攻撃魔法程度にすることで危険性を下げることに成功したのだ。なんで「ダイナマイト」なんて紛らわしい名前にしたかって?それは単純にいい名前が思いつかなかっただけだ。原理とかいろいろ一緒だし気にしてはいけない。
当然これは作成方法は広めないし、使用も自領内にとどめさせるつもりだ。ノーベルが本来望んでいた使用方法以外での使用はなんとして止めて見せるつもりだ。
「次に娼館関係者に対してですが、おそらく娼館は奴隷解放の後の方が確実にもうかります。なぜなら先ほども言ったように民に多くのお金が回るからです。それに娼館であれば人件費が上がった影響で値段が上がることも許容されるでしょうから。」
「ちょっと待て。なんで値段が上がることも許容されるんだ?」
「簡単な話です。皆さんなら奴隷の女としかっりとした教養がある女どちらの方を抱きたいですか?」
「それは...まぁ」
「これで娼館については分かっていただけでしょうか?」
「ああ。」
「次に奴隷商の方々についてですがあなた方には今まで奴隷の販売で培った人脈を生かして仕事の仲介をしてください。」
「仕事の仲介?」
「たとえ奴隷制度がなくなったとしても仕事がないとかいう理由で子供を売るだとか子供を使って稼ごうとする人がいなくなることはないでしょう。そういった人が万が一にでも他領に子供売られてはたまったものではないですからね。それに奴隷商の人にとっても今までとは違って奴隷が売れ残るなどのリスクは減ります。」
「なるほど。」
「ここまで奴隷解放に反対する人はいますか?」
奴隷関連の産業の関係者に反対しようとする人はいない。よし、うまくいったみたいだな。
「なぁ。ヒースそれ解放された大量の奴隷たちの仕事はあるのか?」
まさかここにきて父から反対の声があるとは思わなかったがこれの回答もちゃんとある。なんたってそのために今回の説明会に彼も呼んだんだからな。
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