理由
「父様、我が家にメイドが少ないのはなぜですか?」
「それは俺とグレイスがあまり奴隷制度を好きじゃないからだな。人を無理やり働かせるんだぞよくないのはヒースにもわかるだろ?」
「ですが父様それなら普通に町娘などから雇うのはダメなのですか?」
「それもいかんのだ。低賃金で雇える町娘などではこの家の情報を漏らす危険性があるからな。それに信頼のおけるようんな人物を雇うのは今のうちの収入では無理だしな。」
すげー、思ったよりまともな理由だった。奴隷制度を嫌ってる貴族って本を読む限りほぼいないし、情報の重要性を理解してるのも本を読む限りこの世界では珍しい。
...ってちょとまてよ。
「うちの収入って苦しいんですか?」
「ああえ~とまあ少しきついがさして困ってはいないからな。安心してくれ。」
これは子供を不安にしないための方便だろう。ここは転生者特権の知識チートを使うときだ。それにここで色々やれば一気に伝記化に近ずくだろう。
「父様ここは僕がこの問題を解決して見せます。ついでに奴隷制度も解消して見せましょう。」
「あのなあ。子供にこの問題が解決できるならこんなに困っているわけないんだ。それに奴隷制度はないと困る人たちが多いんだよ。」
そういわれるのは予想通りだ。しかしここで諦めるわけにはいかない。前世の知識を交えながら方法を説明し何とか父を説得していく。
*
「分かった。やってみろ。」
「はい!」
結論から言うと父の説得には成功した。父の物分かりが良かったのもあるが何よりも失敗した時のリスクが少なかったのもあるだろう。
「父様できればでよいのですが手伝ってくれる人材が欲しいのですが。」
「それもそうだな。分かった。ミリア来てくれ。」
父が名前を呼ぶととても可愛い15~16歳程のメイド服の女の子がやってきた。
「ミリア、今日から俺の息子のヒースがなんかいろいろやる来らしいから手伝ってやれ。」
「ミリアです。宜しくお願い致します。」
「俺はヒース。よろしくミリア。早速だけど磁石って用意できる?」
「磁石ですか?ですが磁石なんて方位磁針程度しか使い方ありませんよ。まあ用意はできますが。」
「ああ。磁石だ。ほかにも加工が出来なくてごみ扱いされている宝石とか、価値の低いものを集めてくれないか?」
「分かりました。用意はしますが本当にそんな何の役にも立たなそうなものでいいんですか?」
「いいんだ。なるべくいろいろ集めてくれれば助かる。」
とりあえず磁石は用意できたから最低限の準備は整うだろう。あとはミリアがどれ
だけいろいろなものを集めてくれるかが勝負だ。
頼むぞミリア。
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